ラグビーワールドカップで連覇を狙う南アフリカ代表“スプリングボックス”が、苦しみながらも1点差で激闘を制して決勝進出を決めた。2023年フランス大会の準決勝第2試合が現地時間10月21日にパリ郊外のスタッド・ド・フランスでおこなわれ、前回大会の決勝で対戦したイングランド代表と激突。リベンジに燃えたイングランドが終盤までリードしていたが、土壇場で南アフリカが逆転し、16-15で歓喜となった。
前半はイングランドがリードした。序盤にペナルティゴール(PG)で先制すると、フィジカルバトルでも屈強なディフェンディングチャンピオンと互角以上に渡り合い、両チームとも多用したハイキックの競り合いでは長身FBフレディー・スチュワードが安定してボールを確保した。そして、SOオーウェン・ファレルがPGで着実に得点を重ねた。
プレッシャーをかけられた南アフリカは、ラインアウトの失敗も何度かあり、なかなか流れを変えられず、前半を6-12で折り返した。
南アフリカは選手交替のカードを早めに切ったが、イングランドの試合運びは堅く、53分(後半13分)、自陣22メートルラインからのドロップアウト後、すぐにプレッシャーをかけてカウンターラックでボールを奪い返し敵陣に入ると、キャプテンのSOファレルが約45メートルの距離からドロップゴールを決め、リードを9点に広げた。
しかし、南アフリカは後半途中からスクラムで優勢となってピンチを脱出するなど食らいつき、相手の堅守にも苦しめられたが辛抱強く戦い続け、69分にこの試合唯一のトライを奪う。スクラムで相手の反則を引き出すと、SOハンドレ・ポラードのファインタッチもあって敵陣深くに入り、ラインアウト後にボールを手にしたFLデオン・フーリーが突進してゴールに迫り、サポートもついてたたみかけ、LOのRG・スナイマンがインゴールにねじ込んだ。ゴーンバージョン成功で2点差に詰めた。
そして、77分、またもグリーンジャージーのFWパックが奮闘してハーフウェイのスクラムでペナルティを獲得。ポラードが約50メートルのショットを決め、逆転した。
イングランドは試合終了間際にハーフウェイ付近で11フェイズ重ねたが、南アフリカが必死のディフェンスで耐え、激闘を制した。
現地時間28日におこなわれる決勝は、過去優勝3回(最多タイ)で並ぶニュージーランドと南アフリカの激突となる。