10月15日、埼玉県のセナリオハウスフィールド三郷で関東大学リーグ戦のゲームがおこなわれ、流経大が法大を24-23で退けた。法政は昨季リーグ戦6位、同2位の流経大に終了間際まで競り合う激戦となった。流経大は4戦全勝、法大は昨季の4位以上のチームとの4戦で1勝3敗に。目標とする大学選手の舞台へは3位以上の成績が必要、ぎりぎりの星勘定となる。
試合後の会見で、わずか1点差で敗れた法大・新宮孝之監督が熱っぽく話した。
「選手は一生懸命やった。褒めてやりたい」
決して選手を褒めそやすタイプではない同監督としては珍しい。法大の、この試合への準備の充実と、試合への手応え、そして悔しさが滲む光景だった。
前半は法大 10-12 流経大。試合を通してほとんどの時間を流経大がリードして過ごした。法大は個々のフィジカルの力に長けた相手に対し、最後まで怯まず対峙した。「前に出る低いタックルと、キック戦術の徹底」(法大WTB石岡玲英主将)。ボールの濡れたコンデションを見据えて立てたプランをチームとして遂行した。NO8ティシレリ・ロケティら流経大の留学生をはじめとする頑強な選手たちを、繰り返しダブルタックルで押さえ込むシーンも目立った。
流経大のリードは最大で9点差(2分間のみ)。法政はディフェンスなどプレーでだけではなく、常に勝敗に関わるスコアで、相手にプレッシャーをかけ続けた。
最後のプレーは、インジャリータイムに入り後半44分を過ぎての法大のペナルティゴール。
スコアは法大23-24流経大。石岡主将が、敵陣10㍍付近右から右足で狙ったキックは微妙な軌道を描き、ゴール失敗が告げられた。直後にノーサイドの笛が鳴り、死闘を凌いだ流経大の赤いジャージーの選手たちが、消耗した体を小躍りさせた。
「あのキックが外れていたとレフリーが言うなら、それは仕方ない。まだ終わりじゃない」(法大・新宮監督)
いつもチームの輪の真ん中にいる法大・石岡主将も、試合終了後しばらくは一人地面を見つめていた。15分後の会見では、前戦からの改善点などを理路整然と話すなど、気丈さを見せた。主将、指揮官にショックを与えた試合を今後どう生かしていくか。きっと消えない悔しさを抱え、手応えをつかんで進む法大は次戦、難敵・大東大と激突する。
「チームに課題を残す試合になった。申し訳ないですが、最後は運に助けられた」(流経大FL原田季弥 主将)。流経大は辛くも掴んだ勝利で、4戦全勝でリーグ戦の折り返しを済ませた。