ラグビーリパブリック

日本、2023年W杯はプールステージ敗退。アルゼンチンとの大一番に敗れ8強入りならず。

2023.10.08

駆け上がる日本代表のアマト・ファカタヴァ。トライを決め接戦に持ち込んだが、惜敗(撮影:松本かおり)


 ラグビーワールドカップで2大会連続のトップ8入り、さらにそれ以上の新たな歴史を目指した日本代表だが、2023年大会はプールステージ敗退に終わった。フランス西部のナントにあるスタッド・ド・ラ・ボージョワールで10月8日、2勝1敗で並んでいたアルゼンチン代表との決戦に臨み、奮闘したが、27-39で敗れた。

 この結果、両チームが入ったプールDは、4戦全勝のイングランド代表が1位通過、そしてアルゼンチン代表が2位通過で準々決勝に進むこととなった。ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ率いる日本代表の戦いはこれで終わった。

 勝った方が準々決勝進出となる大一番。
 先制したのはアルゼンチンだった。開始から1分、ドライビングモールでアドバンテージを得たあと展開し、CTBサンティアゴ・チョコバレスが10メートルライン付近でタックルを破ってそのままゴールへ走りきった。ゴールキックも成功で7点を先取する。

 日本は12分にSH齋藤直人の意表を突いたディフェンス裏へのキックからチャンスとなったが、得点ならず。
 しかし16分、自陣からのカウンターでFLリーチ マイケルが切り込み、右外でパスをもらったLOアマト・ファカタヴァがタックラーを振りきってキックすると、バウンドボールを自ら確保してインゴールに持ち込んだ。SO松田力也のコンバージョンも成功で同点となった。

 接戦が予想された試合。キーポイントのひとつは「規律」だったが、23分、タックルにいった日本のFLピーター・ラブスカフニが相手選手にヘッドコンタクトしてしまい、イエローカード。10分間の退出となった。

 1人少ない日本は28分、敵陣22メートルライン付近まで攻め込み、SO松田がドロップゴールを狙たったが、相手FLマルコス・クレメルにチャージされ、その後、WTB松島幸太朗が高く蹴り上げたボールをキャッチしたアルゼンチンは、つないでSHゴンサロ・ベルトラノウが大きくゲインし、スピードに乗って走りこんできたWTBマテオ・カレーラスが勝ち越しのトライを決めた。

 34分にはラインアウトを失敗してアルゼンチンに攻め込まれ、反則を犯してペナルティゴール(PG)で点差を広げられた。

 だが日本は38分、ハーフウェイ付近でボールを回して大会初出場のWTBシオサイア・フィフィタがブレイクし、大きくゲインしてサポートのSH齋藤がフィニッシャーとなった。コンバージョン成功。14-15の1点差に詰めて折り返した。

 後半の立ち上がり、日本はディフェンスで粘ってボールを奪い返し、逆襲で敵陣深くに入ったが、アルゼンチンが踏ん張り得点ならず。

 後半も先にスコアボードを動かしたのはアルゼンチンで、46分(後半6分)、連続攻撃でゴールに迫りアドバンテージを得ると、左の空いたスペースでボールをもらったWTBマテオ・カレーラスがフィニッシャーとなった。WTBエミリアーノ・ボフェリがコンバージョンで貴重な2点を追加。

 日本は52分にPGで3点を奪い返し、56分には敵陣10メートルライン付近でアドバンテージを得ると、FBレメキ ロマノ ラヴァが約45メートルのドロップゴールを決め、20-22と点差を詰めた。

 しかし、リスタートのキックオフで逆光の日本はボールを確保できず、アルゼンチンにスクラムを与えてしまい、その押し合いでアドバンテージを得たアルゼンチンは積極的に攻め、バックスのボール回しからWTBボフェリがチームにボーナスポイントをもたらすトライゲッターとなった。コンバージョンも成功。

 日本は65分、敵陣深くでPKを得ると、タップからトライを狙いに行き、FLリーチがタテをついたあと、クイックリサイクルでテンポよくボールを回し、途中出場で右外にいたWTBジョネ・ナイカブラがコーナーに飛び込みトライを決めた。今大会ゴールキック絶好調のSO松田がタッチライン付近の厳しい角度からコンバージョンを決め、再び2点差に詰めた。

 しかし、ワールドカップで2度のトップ4入りを経験しているアルゼンチンはすぐにやり返し、リスタート後に攻め込んでアドバンテージを得、またも背番号11のカレーラスが日本のディフェンスを切り裂きハットトリックとなった(コンバージョン成功)。

 勢いづくアルゼンチンに対して日本は74分に反則を犯し、PGで27-39と点差を広げられた。

 日本は最後まで食らいついたがゲームをひっくり返すことはできず、ラグビーワールドカップ2023はプールステージ敗退となった。

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