ラグビーワールドカップで2大会連続優勝を狙う南アフリカ代表“スプリングボックス”が、3勝1敗でプールBの戦いを終えた。フランスのスタッド・ド・マルセイユで現地時間10月1日、トンガ代表と対戦して49-18で勝利。4トライ以上挙げたためボーナスポイントも獲得し、総勝点15となって同組の暫定トップに立った。
準々決勝進出への2枠をめぐっては、直接対決を控えるアイルランド代表とスコットランド代表の結果待ちとなり、3チームが総勝点で並ぶ可能性があるが、南アフリカはアイルランド(3勝0敗・総勝点14)に敗れたもののスコットランド(2勝1敗・総勝点10)には勝っており、得失点差の関係からも2位以上に入る可能性は高い。
トンガとは激しいフィジカルバトルになった。南アフリカは最終的に7トライを挙げて勝ったものの、21タックルで成功率95%だったFLシオネ・タリトゥイを筆頭に、タックル回数上位5人のうち4人はトンガの選手で、前世界王者の楽勝とはならなかった。
トンガはディフェンスだけでなくアタックでも奮闘し、堅守を武器とする南アフリカから3トライを奪ったことも観客からの称賛となった。
トンガのゲームキャプテンを務め、前半38分には自ら果敢にインゴールに突っ込みチーム最初のトライを決めた体重151キロの巨漢PRベン・タメイフナは、「スプリングボックスはフィジカルの強さで知られているので、我々は気合を入れて応戦しなければならなかった。それをやってくれた仲間たちを誇りに思う」と熱闘を振り返った。
南アフリカにも収穫はあり、世界的フッカーのマルコム・マークスが負傷で離脱したなか、ユーティリティFWのデオン・フーリーがこの試合で2番をつけ、セットピースを安定させただけでなくブレイクダウンのファイトも光り、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれる活躍で十分にカバーできることを証明した。
そして、けがから回復して追加招集された前回大会の得点王であるSOハンドレ・ポラードが10番をつけて復帰し、後半11分にベンチへ退くまで落ち着いてプレーメイクし、ゴールキックを4本すべて決めてゴールデンブーツ健在をアピールした。
今大会これまで司令塔を務めてきたSOマニー・リボックも好調だが、ノックアウトステージへ向けて経験豊富なポラードの存在は重要になってくる。
ポラードはトンガ戦を終え、「仲間たちと一緒の環境に戻ることができて本当によかった。どんな役割であってもできる限り貢献できればと思っている。私はただチームの成功を手助けするためにここにいるので、とても興奮している」とコメントした。