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流経大、東洋大が全勝キープ!<br>後半戦に課題残した立正大、拓殖大。

2023.10.01

拓大に快勝、全勝をキープした東洋大。写真はPOMに選出されたCTBモーリス・マークス(撮影:齋藤豊)

 9月30日、関東大学リーグ戦1部2試合が熊谷ラグビー場でおこなわれ、東洋大が拓大に68-12、流経大が立正大に59-34でそれぞれ勝利し、全勝をキープした。

「最後まで、パッションを持って戦えた」
 東洋大FLタニエラ・ヴェア主将の言葉通り、東洋大は立ち上がりからスクラム、モールなどFWの接点で拓大を圧倒し、速い球出しからグラウンドを広く使いスピードのあるBKでトライを重ねた。

 立ち上がり4分、東洋大はペナルティからのタッチキックでゴール前マイボールラインアウトを得ると、FWの前進からCTBモーリス・マークスが鋭く切り込んで中央突破、ゴール下に持ち込んだ。

 11分には自陣ゴール前相手ボールラインアウトから、NO8栗原大地がこぼれ球に素早く反応して確保すると、一気にBKに展開し敵陣に蹴ったボールをFB石本拓巳がキープ、フォローしたWTB杉本海斗、LO森山海宇オスティン、SH清水良太郎とつなぎ、最後は再びボールをもらった杉本がゴール右に飛び込んだ。

 ゴール前のピンチから一気に切り返し、全員が反応しFW、BKが一体となってトライを取りきる東洋大のアタックは圧巻だった。

東洋大LO森山海宇オスティンの力強いラン(撮影:齋藤豊)

 東洋大は、その後FL大内貫太郎、SO天羽進亮のトライなどで前半を28-0で折り返した。
 後半に入っても攻撃の手を緩めない東洋大は、自陣からでも積極的にボールを動かし、拓大の防御を次々と突破し、後半6トライの猛攻で40得点を挙げた。拓大は後半のロスタイムに、途中出場のFB恒藤嵐士のゲインからWTB神田凜、CTB奥田勇志とつないで意地を見せたが、そのままノーサイド。

試合後、東洋大・福永昇三監督が「選手たちが伸び伸びとプレーしていた」と振り返ったが、選手たちの迷いがない思い切ったアタックがいい形で得点につながっている。
 一方、1対1で押し込まれる場面が多く見られた拓大・木本真太郎主将は、「1対1のディフェンスや、ハイタックルの反則など、試合の中で修正できなかった」と次の試合に向けての課題を口にした。

流経大NO8ティシレリ・ロケティのアタックを二人がかりで止める立正大(撮影:齋藤豊)

 昨季は38-31と流経大が接戦を制したこのカード。第2試合は立正大が先制した。

 前半3分、相手陣22㍍ライン付近でペナルティを得るとSOキニ・ヴェイタタがタッチキック、ゴール前のラインアウトをしっかりキープしHO平林頼人がモールサイドを突いてトライ。左サイドの難しい位置のコンバージョンをキニが決めて7-0とした。

 対する流経大は、10分に相手陣ゴール前のラインアウトからFWが前進、一度は止められたがオフサイドのアドバンテージをもらってBKに展開、FB中村颯馬のゴロキックにWTB濱谷海斗が反応、インゴールで押さえ1トライを返した。

 お互いに1トライずつ加え、立正大が14-12とリードしたが、27分、流経大は立正大ディフェンスのタックルが甘くなったところをHO作田駿介が大きくゲイン、そこからつないでCTBアンドリュー・ヘイウォードがインゴールに持ち込み逆転すると、流れは流経大に。

何度もゲインラインを突破、力強いランでチャンスを作った流経大HO作田駿介(撮影:齋藤豊)

 30分にはFB中村のカウンターアタックからWTB當眞寮がトライ。34分にはゴール前ラインアウトを一気に押し込みFL原田季弥主将のトライで31-14とした。前半終了間際にも22㍍ライン付近のラインアウトからHO作田が抜け出し、ダミーパスでディフェンスをかわすとそのままタックルを引きずりながらゴール左に持ち込み、立正大を突き放した。

 後半は点の取り合いとなり、流経大は途中出場のPR森脇光、HO小澤天がトライを挙げ、立正大もLOヴィリケサ・リモリモなど3トライを返したが、前半の失点が最後まで大きくのしかかった。

 流経大は「準備してきたセットプレーからのアタックが機能した」と試合後に原田主将が振り返ったように、59得点とダイナミックな攻撃力を見せた一方で、34点と失点も多く、池英基監督は「タックル後のブレイクダウン、そしてディフェンスを修正していきたい」と後半戦に向けての修正ポイントを挙げた。

 一方、敗れた立正大・堀越正己監督は「1対1で負けて、前に出ることができなかったことと、キックを有効に使えなかったこと」を敗因に挙げた。

 リーグ戦は1週空いて、10月15日、後半戦が始まる。

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