ラグビーワールドカップで2大会連続の8強入りへ向け、日本代表が前進した。
2023年フランス大会でプールDに入り、準々決勝進出への上位2枠を争う日本代表は、1勝1敗で3チームが並ぶなか、サモア代表と直接対決(現地時間9月28日/スタジアム・ド・トゥールーズ)。28-22で競り勝ち、首位のイングランド代表(3勝0敗)に次いで暫定2位に浮上した。
10月8日にナントでおこなわれる同組最終戦では、もうひとつのライバルであるアルゼンチン代表と激突する。
サモア戦で日本は序盤から規律よく戦い、前半13分、FBレメキ ロマノ ラヴァがタックルされながらも力強いボールキャリーでゴールに迫り、つないでFLピーター“ラピース”・ラブスカフニが先制トライを決めた。SO松田力也はこの日もゴールキック好調。7-0とした。
その後、両チームともペナルティゴール(PG)で3点ずつ入れ、迎えた32分、日本は自陣でのスクラムから、急きょ9番をつけることになったSH齋藤直人が仕掛け、バックス展開で大きくゲインし、敵陣深くに入ってアドバンテージを得ながら連続攻撃、SO松田からの飛ばしパスを左外でもらったFLリーチ マイケルがフィニッシャーとなった。松田は厳しい角度からのコンバージョンも決め、貴重な2点を追加した。
しかし37分、サモアに攻め込まれながらも粘り強くディフェンスしていた日本だったが、HO堀江翔太がタックルにいった際に相手選手とヘッドコンタクトしてしまい、イエローカード。直後、サモアはラインアウトからドライビングモールでトライを奪い返し、日本は9点リード(17-8)で折り返しとなった。
後半、サモアが先にチャンスを作ったが、日本はキャプテンのNO8姫野和樹がジャッカルに成功し、ピンチを脱出した。フィジカリティを強みとするサモアに対し、日本は堅いディフェンスを続け、キックに対するFBレメキのポジショニングもよく、相手のペースにはさせなかった。
そして47分(後半7分)、サモアのWTBベン・ラムが危険なタックルでレッドカードとなり、退場。日本は残り時間を数的有利で戦うことになった。
徐々に規律を乱したサモアに反則が続くようになり、49分、敵陣深くに入った日本はラインアウトからモールで押しきり、点差を広げた。
56分にはスクラムで相手の反則を引き出し、SO松田がPGで加点。
それでも、粘るサモアは65分、FWのフィジカリティを活かして攻め込みトライを奪い返すと、松田のPGで13点差に広がったあとも食らいつき、78分にもゴールに迫って連続攻撃をSOクリスチャン・リアリーファノがフィニッシュ。コンバージョンも決まり、逆転可能な6点差に詰めた。
だが、試合終了間際、サモアは再び日本陣内に入ったものの、ラインアウトを失敗し、まもなく試合終了の笛が鳴って日本が逃げきった。
キャプテンの姫野は、「チームを本当に誇りに思う。彼らの努力があってこその勝利だと思う。そして、ファンの声援は僕たちの背中を押してくれるし、きつい時間帯を頑張れた」と勝利を喜んだ。
そしてジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは、「大きな勝利。タフな試合だった」と振り返り、準々決勝進出がかかるアルゼンチン戦へ向けては、「最後の大勝負。これもタフな試合になるだろうが楽しみにしている」とコメントした。
日本はボーナスポイント(4トライ以上挙げると勝点に1ポイント加算)を獲得できなかったものの、2勝1敗となり総勝点9。一方、1勝2敗となったサモアはボーナスポイント(7点差以内の負けで勝点に1ポイント加算)を獲得し、総勝点6となった。
あと2試合を残して今週末にチリと対戦するアルゼンチンは、ボーナスポイント付きの勝利なら日本と総勝点で並ぶ。
※ 勝利=勝点4、引き分け=勝点2、負け=勝点0、BP(4トライ以上/7点差以内の負け)=勝点1