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【RWC2023】W杯初出場へ。自信を取り戻した李承信、「わくわくしています」

2023.09.28

キックオフを楽しみに待つ李承信。ビッチに立ったら思い切りプレーする。(撮影/松本かおり)



 強くなってピッチに戻る。
 李承信(り・すんしん)が、9月28日(木)におこなわれるサモア戦の試合出場予定メンバー、23人に入った(22番)。

 プールDの日本代表はチリに勝ち、イングランドには敗れた。
 ノックアウトステージ進出に向け、サモア戦、アルゼンチン戦(10月8日)と、負けられない試合が続く。

 その中で李は、大会3試合目にして初めて出場機会をつかみそうだ。
 ピッチに立つなら試合終盤。本人も、「自分が後半のいつ(試合の中へ)入るか分かりませんが、ゲームをクローズする役割」と理解する。

「後半のプレッシャーがかかる時間帯に、どういうオプションを選択し、チームがどう攻めるのか。全員が意思疎通できるように、10番としてリードしてほしい、と(首脳陣から)言われています」

 スコアや状況を見ながら、各局面で最良の判断をする。チームを動かす。それが求められている役割だ。
 最終的に、チームを勝利に導く。

 昨年(2022年)のウルグアイとの第2テストで途中出場。初キャップを得た。
 それ以来、W杯直前のイタリア戦まで、ほとんどの試合に出場してきた。

 初キャップ戦から今季のイタリア戦まで、オールブラックスA戦2試合も含めた日本代表戦の12試合中11試合に出場。
 そのうちの6試合は先発で、W杯直前の4つのテストマッチ中3戦で10番を背負ったとあれば、世界が見つめる大舞台でも、同じ番号を背負う資格を得たように見られた。

 しかし、いざW杯が始まってみれば、チリ戦、イングランド戦ともメンバー外に。
 その状況を、「勝たないといけない、結果を残さないといけないというプレッシャーを自分にかけ過ぎてしまい、自信を持ってプレーできなくなってしまった」と話す。

 ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチとたくさん話した。メンタル担当のデイビッド・ガルブレイス コーチとも。
 1週間かけて、試合に臨むメンタルを作るプロセスについてのアドバイスを受け、失いかけていた自信を取り戻したという。

 一日一日のやるべきこと、ゴールをしっかり決め、それを積み重ねるようにした。
 結果、「これだけのことをやってきたのだから、という自信を持って試合に臨めるようになった」と話す。

 そうやって掴んだ今回のメンバー入りを、仲間たちが喜んでくれた。
 例えばPRの垣永真之介。メンバー外の選手たちは試合前日、走り込みなどの厳しい練習を課される。
 チリ戦、イングランド戦の前、悔しい思いを噛み締めながらともに走った先輩は、「あの練習以上に試合で走ってくれ」とエールを送ってくれた。

 その言葉を受け、チームの一体感の高まりを強く感じた。ピッチに立つ責任も。
「ジャパンに入ってから試合に出られることが多かった。でもそうでなくなって、メンバー外の選手たちの気持ちをあらためて理解できたと思います」

 いま、その思いをエナジーにできるようになった自分がいる。
 試合前日(9月27日)の会見で、「モチベーションもメンタルも、すごくいい状態です。試合ができる。わくわくしています」と話した。
 自信を持ってプレーすることは自分らしさを出すことであり、勝利をつかむのに不可欠な要素だ。


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