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【RWC2023/プールB】ボムスコッドにFW7人の南アフリカ。強みを最大化してアイルランドとの大一番へ

2023.09.24

アイルランドのジョニー・セクストン主将(左)と南アフリカ代表PR、1番のスティーヴン・キッツォフ。(Getty Images)



 ビッグマッチだ。
 現時点でのワールドランキングの1位と2位が激突する。
 9月23日におこなわれるワールドカップのプールB、アイルランド×南アフリカのキックオフが待ち遠しい。

 9月23日の午後9時(日本時間24日、午前4時)に始まる試合は、パリ郊外のサンドニ、スタッド・ド・フランスが舞台だ。
 アイルランドはここまで2戦を戦い、ルーマニア戦に82-8、トンガ戦に59-16と大勝し、すでに2勝を挙げている。

 南アフリカもスコットランドをノートライに抑えて18-3と完勝した後、ルーマニアには11トライ、76-0と完封勝ちを収めて好調だ。
 その試合ではSHで先発したコーバス・ライナーが前半24分までに3トライを奪い、WTBマカゾレ・マピンピも3トライ。個々の能力の高さを見せつけた。

 両チームは過去に27戦を戦い、南アフリカが18勝、アイルランドが8勝。引き分けが1試合ある。
 W杯での対戦は、今回が初めてだ。

 直近の対戦は2022年11月5日。19-16でアイルランドが競り勝った。
 そのときのメンバーと比べると、アイルランドのFWは8人中7人がそのまま。HOダン・シーハンがローナン・ケラハーに代わっただけだ。

 南アフリカのFWもHOマルコム・マークスとLOフランコ・モスタートがいないだけ。当時の先発と6人が変わらず、強力なメンバーを揃えている。

 3点差だった2022年の対戦は、典型的な両チームが対戦した時の展開だった。ロースコアの接戦となることが多い。
 両チームの得点の合計が50点を超えたのは2016年に南アフリカがホームで戦った際、32-26と勝利した時だけだ。
 今回も好ゲームが期待される。

 南アフリカはこの試合、『ボムスコッド』と呼ばれるベンチスタートの8人のうち、7人をFWにした。
 その布陣についてジャック・ニーナバーHCは、「自分たちにとっても初めてのこと。革新的なことについては、肯定的な意見もあれば否定的なものもあるだろうが、そうする理由はある」と話す。
 自分たちの強みを最大限に発揮するつもりだ。

 BKでベンチスタートはコーバス・ライナーのみ。ライナーはSHとアウトサイドバックスをカバー可能で、WTBで先発のチェズリン・コルビは、SH、FBでもプレーできる。

 南アフリカのメンバー編成に対し、アイルランドのアンディー・ファレルHCは、「彼らは自分たちの方向性をよく理解しているということ」と評し、「相手のことより、自分たちのプランを遂行することが大事」と話した。

 アイルランドはテストマッチ15連勝中も前回大会王者をリスペクトする。ファレルHCは、「世界チャンピオンに勝つためには、良いプレーをしなければならない」と言う。

「私たち自身やアイルランド人を除けば、誰もが南アフリカが優勝候補で、この試合でも勝つと思っているでしょう。直近の試合で彼らが見せているパフォーマンスを見れば、それも分かる」としながらも、自分たちを信じる気持ちを強く示した。

 指揮官は「タフな戦いになることは覚悟しているし、簡単ではない展開になる」と話し、大一番への研ぎ澄ました気持ちを伝えた。

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