黒星発進で2連敗となればプールステージ敗退の危機に瀕する厳しい状況で、アルゼンチンが踏ん張った。ベテランSOのニコラス・サンチェスは、決勝のつもりで臨んだと振り返る。
「負ければ家に帰らなければならなかったので、この試合は非常に重要だった」
9月22日、アルゼンチンはラグビーワールドカップ2023のプールD2戦目でサモアと対戦し、19-10で制して勝点4をつかんだ。同組首位のイングランドを追って、この両チームと日本が1勝1敗で並び、準々決勝へ進める上位2枠をめぐり混戦模様となってきた。
初戦では1人少なかったイングランドに敗れたアルゼンチン。キャプテンのHOフリアン・モントージャは規律やラックなど課題はたくさんあるとしながらも、「我々はパックとして一歩前進した。ラインアウト、スクラム、モールは改善したと思う。モールディフェンスもいくつかは良かった。これは今後の鍵になる」と手応えを感じていた。
マイケル・チェイカ ヘッドコーチも、生き残りをかけた試合に勝ったことを喜ぶ。
「ハッピーだ。納得していない部分もあるが、これがワールドカップだ。今日は先週よりもメンタル面でかなり良かったと思う」
しかし、2試合で計29得点、この日も1トライしか奪えなかったのは気がかりのはず。
「点を取りたくないわけではない。この試合では攻撃的なフェイズが多かった。だがもう少し速く、継続性を持ってボールを保持したい。それに、キックのオプションを改善する必要がある。でも、攻撃の構成はずっと良くなった」
次はチリ戦。そしてプール戦最後は日本とぶつかる。厳しい戦いが続くことを指揮官は承知している。
「常にファイナル(負ければ終わりの戦い)になると言ってきた。それは変わらない。毎週落ち着いてプレーする必要がある。それがワールドカップに残る方法だ」