ラグビーワールドカップ2023フランス大会のプールDで、日本代表のライバルとなるアルゼンチン代表とサモア代表が9月22日、サンテティエンヌのスタッド・ジェフロワ・ギシャールで激突し、19-10でアルゼンチンが接戦を制した。
この結果、現時点でのプールD首位は2勝0敗(勝点9)のイングランドとなり、最下位は0勝2敗(勝点0)のチリ。その他の3チームは1勝1敗で並び、ボーナスポイント(1試合4トライ以上で1ポイント、7点差以内の負けで1ポイントが与えられる)を得ているサモアと日本が勝点5(得失点差で2位・サモア、3位・日本)、勝点4のアルゼンチンが4位につける。
同組5チームによる総当たり戦を終えた時点で、上位2チームが準々決勝に進む。
日本は現地時間9月28日にサモアと対戦し、10月8日にプール最終戦でアルゼンチンに挑む。
混戦模様のタフなプールDで負けられない戦い。雨のなかおこなわれたアルゼンチン対サモア戦は、手に汗握る接戦となった。
初戦でイングランドに屈し黒星発進となっていたアルゼンチンにとっては、ファンの大声援もエナジーとなったに違いない。
開始早々、ハイボールをめぐってジャンプしたアルゼンチンの選手に対し、サモアのFBダンカン・パイアアウアが危険なプレーでイエローカードを提示され、10分間の退出となる。数的有利となったアルゼンチンは前半9分、敵陣深くでの連続攻撃をWTBエミリアノ・ボフェリがフィニッシュし、コンバージョンも決めて7点を先取した。
両チームとも激しいタックルの打ち合い。
ペナルティを得ると、アルゼンチンはボフェリが正確なショットで着実に得点を重ねたのに対し、サモアはSOクリスチャン・リアリーファノがゴールキック不調。37分にはさほど難しくない位置から外し、ハーフタイム前に再び得たチャンスではポストではなくトライを狙いにいくも、ラインアウトスチールされ、その後のスクラムからの攻撃も得点につながらなかった。
13-3で迎えた後半早々、ゴール前で攻め続けたアルゼンチンに対し、サモアは13番のUJ・セウテニらが必死のタックルで止めるなど、粘り強いディフェンスで踏ん張った。
ならばと、アルゼンチンは54分(後半14分)にペナルティゴールでリードを拡大。
食らいつきたいサモアは、ミスもあってなかなか波に乗れず、60分にはディフェンス裏へのキックでトライを狙いにいったが、アルゼンチンはWTBボフェリがすばやいカバーリングでピンチを防いだ。66分には、サモアが自陣深くから攻めCTBトゥムア・マヌの突破でチャンスになりかけたが、雨の影響もあったか、サポートのFLフリッツ・リーが落球してしまい、サモアのファンは大きなため息となった。
それでも、サモアはあきらめず、終盤の75分、ゴールに迫ってFWが近場でパワープレーを繰り返し、HOサマ・マロロがインゴールに突っ込んだ。コンバージョン成功で、逆転可能な6点差となった。
しかし、試合終了間際の80分、サモアに反則があり、アルゼンチンは途中出場のベテランSOニコラス・サンチェスがハーフウェイから約50メートルのペナルティゴールを決め、セーフティリードとし、サモアのボーナスポイントを消して熱戦は終わった。
プールDで、アルゼンチンの残り試合の対戦相手はチリと日本。サモアは日本とイングランドにチャレンジする。