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【RWC2023】「この状況で頑張れなければ、今後も頑張れない」。日本代表を支えるチーム愛

2023.09.22

左から、シオサイア・フィフィタ、福田健太、小倉順平。(撮影/松本かおり)



 対チリ、イングランドの2戦で試合に出場したのは、のべ25選手。
 日本代表は開催中のワールドカップで1勝1敗のスタートを切り、9月28日にトゥールーズで今大会3試合目のサモア戦に挑む。

 W杯日本代表スコッドは33人。イングランド戦後には、負傷のセミシ・マシレワに代わり山中亮平が登録された。
 ピッチで躍動する姿を見せている選手たちだけでなく、バックヤードでチームをサポートしている選手たちも、チームの大きな戦力だ。

 日本代表は9月21日、ニースでのイングランド戦のために滞在していたモナコからベースキャンプを張るトゥールーズへ戻った。
 次戦への準備を始める。

 移動日となった同21日、小倉順平(SO)、福田健太(SH)、シオサイア・フィフィタ(WTB)の3選手が報道陣への対応をした。
 3選手は、ここまでの2試合で出場機会を得られていない。

 しかし、トレーニング時にチームの空気を盛り上げてきた。対戦相手になり切って仲間と対峙し、仮想敵として戦略・戦術を練り込むサポートもする。
 その中で自分たちの力も伸ばし、出番を待つ。

 週末の試合への出場予定メンバーが発表になると、それぞれの選手の行動が決まる。
 出場予定メンバーは主将、副将を中心に、試合へ向けた戦い方の落とし込みを進める。
 控えメンバーは対戦相手の攻守をコピーし、準備のサポートにまわる。

 小倉は、試合に出る、出ないに関係なく、そのすべてを「準備」ととらえて行動している。
 練習で、本来のポジションでないところに入ることもある。それも、自分を高めてくれる時間。いつだって成長はできる。

 世界の強豪と戦う仲間と同じ時間を過ごして感じたことがある。
「試合に対する準備に関して、これまで自分のやってきた量では足りなかったのかな、と感じました」
 ライバルや、普段は他チームで活動しているトップ選手の日常を知り、「もっとやらないと」と感じた。

 勝利に近づいた時間もあったイングランド戦を振り返り、福田は「いい準備ができた結果」と話した。
「まだ試合は続く。前に進むだけ。もうあの結果を引きずっている人はいない」と、全員の思いを代弁する。

 小倉同様、W杯期間中に得ている刺激は多い。
「ポジティブにやれています。日本代表の選手たちのスキルはすごく高い。普段はリーグワンで対戦相手として戦っているメンバーとチームメートとして練習していく中で、あらためてそう感じています」と話す。

 特に同じポジションの選手から学ぶことは多い。
「例えばナギーさん(流 大)。ラグビーに対する考え方もそうですが、オフフィールドでも勉強になります。他のポジションの選手と、積極的にコミュニケーションを取っている。ポジション的にも、すごく大事なことだな、と」

 フィフィタはイングランド戦前は12番の位置に入り、相手CTBマヌ・トゥイランギの動きを再現。試合メンバーの防御対策に貢献した。
 試合後のロッカールームの清掃もした。「みんなでやっていること」と話すが、すべてはチームへの愛情の表れだ。

 福田は、「こういう状況で頑張れない選手は、今後どこへいっても頑張れない」と話す。
 その思いは試合メンバーにも届き、間違いなくチームが上昇するエナジーとなる。

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