対チリ、イングランドの2戦で試合に出場したのは、のべ25選手。
日本代表は開催中のワールドカップで1勝1敗のスタートを切り、9月28日にトゥールーズで今大会3試合目のサモア戦に挑む。
W杯日本代表スコッドは33人。イングランド戦後には、負傷のセミシ・マシレワに代わり山中亮平が登録された。
ピッチで躍動する姿を見せている選手たちだけでなく、バックヤードでチームをサポートしている選手たちも、チームの大きな戦力だ。
日本代表は9月21日、ニースでのイングランド戦のために滞在していたモナコからベースキャンプを張るトゥールーズへ戻った。
次戦への準備を始める。
移動日となった同21日、小倉順平(SO)、福田健太(SH)、シオサイア・フィフィタ(WTB)の3選手が報道陣への対応をした。
3選手は、ここまでの2試合で出場機会を得られていない。
しかし、トレーニング時にチームの空気を盛り上げてきた。対戦相手になり切って仲間と対峙し、仮想敵として戦略・戦術を練り込むサポートもする。
その中で自分たちの力も伸ばし、出番を待つ。
週末の試合への出場予定メンバーが発表になると、それぞれの選手の行動が決まる。
出場予定メンバーは主将、副将を中心に、試合へ向けた戦い方の落とし込みを進める。
控えメンバーは対戦相手の攻守をコピーし、準備のサポートにまわる。
小倉は、試合に出る、出ないに関係なく、そのすべてを「準備」ととらえて行動している。
練習で、本来のポジションでないところに入ることもある。それも、自分を高めてくれる時間。いつだって成長はできる。
世界の強豪と戦う仲間と同じ時間を過ごして感じたことがある。
「試合に対する準備に関して、これまで自分のやってきた量では足りなかったのかな、と感じました」
ライバルや、普段は他チームで活動しているトップ選手の日常を知り、「もっとやらないと」と感じた。
勝利に近づいた時間もあったイングランド戦を振り返り、福田は「いい準備ができた結果」と話した。
「まだ試合は続く。前に進むだけ。もうあの結果を引きずっている人はいない」と、全員の思いを代弁する。
小倉同様、W杯期間中に得ている刺激は多い。
「ポジティブにやれています。日本代表の選手たちのスキルはすごく高い。普段はリーグワンで対戦相手として戦っているメンバーとチームメートとして練習していく中で、あらためてそう感じています」と話す。
特に同じポジションの選手から学ぶことは多い。
「例えばナギーさん(流 大)。ラグビーに対する考え方もそうですが、オフフィールドでも勉強になります。他のポジションの選手と、積極的にコミュニケーションを取っている。ポジション的にも、すごく大事なことだな、と」
フィフィタはイングランド戦前は12番の位置に入り、相手CTBマヌ・トゥイランギの動きを再現。試合メンバーの防御対策に貢献した。
試合後のロッカールームの清掃もした。「みんなでやっていること」と話すが、すべてはチームへの愛情の表れだ。
福田は、「こういう状況で頑張れない選手は、今後どこへいっても頑張れない」と話す。
その思いは試合メンバーにも届き、間違いなくチームが上昇するエナジーとなる。