勇敢な桜の戦士たち、「ブレイブブロッサムズ」の愛称で知られるラグビー日本代表は、フランスのスタッド・ド・ニースで現地時間9月17日におこなわれた大勝負で、80分間会場を沸かせた。しかし、勝てなかった。金星を逃した。ラグビーワールドカップ2023、プールDの2戦目、過去10戦全敗と歯が立たなかったイングランド代表を相手に果敢に挑み続けた。しかし、12-34で敗れた。
日本代表はこれで1勝1敗。2大会連続の8強入りへ向け、厳しい戦いは続く。
試合開始早々、相手キックの処理でFBセミシ・マシレワにハンドリングエラーがあり、イングランドがゴール前のスクラムへ。そのセットから攻めた相手に対し、日本は粘り強く守ったが、反則がありイングランドがペナルティゴール(PG)で先制した。
そのマシレワは前半6分に負傷、レメキ ロマノ ラヴァと交代した。
8分、日本はキック&チェイスで相手にプレッシャーをかけ、敵陣深くのラインアウトへ。その後ゴールに迫ったが、イングランドはブレイクダウンで絡み、日本にトライを許さなかった。
それでも日本は果敢なチャレンジを続け、10分にはボールをつないで攻め上がった相手に対し、WTB松島幸太朗が好タックルでピンチを防ぐ
13分、日本は堅守からのカウンターで一気に攻め込み、つないでゴールに迫りアドバンテージを得たが、SO松田力也がキックパスを選択し、長すぎてトライならず。それでもPGで得点し、同点に追いついた。
この試合、日本はSH流大などが好判断のキックで相手にプレッシャーをかけた。
20分、敵陣での相手ボールスクラムで踏ん張り、その後、相手がキックで脱出しようとしたところ、SO松田のチャージでチャンスになりかけたが、イングランドもしぶとかった。
押し気味の日本は21分にも敵陣で攻めてアドバンテージを得、松田のディフェンス裏へのキックに対し相手の処理ミスでチャンスになりかけたが、FBレメキは惜しくも確保できず、トライとはならず。それでも、松田のPGで勝ち越した。
だが24分、日本は自陣深くでラインアウトを失敗し、相手がボールを確保、NO8ルイス・ラドラムがパワーでインゴールに押さえ逆転した。
その後、日本はPGで1点差に詰めると、スクラムで互角に渡り合い、ディフェンスでプレッシャーをかけ続け、ハイボールに対しても相手の好きにはさせなかった。
しかし、前半ラスト、日本に反則があってイングランドがPGで加点し、4点差で折り返しとなった。
9-13で迎えた後半早々、イングランドが左サイドを破ってWTBエリオット・デイリーが駆け上がったが、日本はLOアマト・ファカタヴァが猛追し、懸命のタックルで外に押し出した。
42分(後半2分)、ピンチの場面でキャプテンのNO8姫野和樹がジャッカル。44分も粘り強いチームディフェンスで耐えた。FLリーチ マイケルらが食らいつく。LOジャック・コーネルセンのラインアウトスチール、CTBディラン・ライリーの強烈なタックルもあった。後半からエナジーをもたらしたクレイグ・ミラー、ヴァル アサエリ愛の両PRはダブルタックルで相手に落球させた。日本はプレッシャーをかけ続け、54分にPGで1点差に詰めた。
56分、攻め込んだイングランドに対し、CTB中村亮土などが粘り強いタックルでランナーを止めたが、イングランドはアタックを継続してゴールラインを割った。一連の流れで、パスを回したイングランドにノックオンがあったかに思われたが、前方へボールがこぼれた原因は手ではなく頭だったことがTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)で確認され、トライが認められた。
その後、WTB松島が鋭いカウンターで会場を沸かせ、CTBライリーのブレイクスルーもあって敵陣深くに入ったが、イングランドの守りも堅かった。
それでも日本は食らいつき、63分にイングランドのSOジョージ・フォードがディフェンスを抜けゴールに迫ったが、松田が、リーチが、懸命のタックルでトライを阻止した。
しかし、直後のスクラムのあとプレッシャーをかけられて相手ボールにしてしまい、逆にそのセットからアドバンテージを得たイングランドはSOフォードのキックパスからFBフレディー・スチュワードのトライにつなげた。
73分、ゴールに迫ってピック&ゴーの猛攻を繰り返したイングランドに対し、日本は死力を尽くして耐えたものの、試合終了間際、イングランドは連続攻撃からCTBジョー・マーチャントがボーナスポイント獲得となるチーム4トライを決め、日本の奮闘は終わった。