日本代表も入るプールDで準々決勝進出への上位2枠入りを虎視眈々と狙っているサモア代表が、9月16日にボルドー(フランス)でラグビーワールドカップ2023の初戦を迎え、チリ代表を43-10で下した。4トライ以上挙げたためボーナスポイントも獲得で勝点5とし、得失点差で日本代表を上回り暫定トップに立った。
一方、初出場で歴史的最初のゲームを日本代表相手に敗れたチリ代表は、これで0勝2敗となった。
前半、サモアはなかなか波に乗れなかった。
最初のトライを挙げたのはチリ。前半6分、日本戦でも活躍したSOロドリゴ・フェルナンデスがダミーからの好走でブレイクし、サポートもついて連続攻撃でゴールに迫り、PRマティアス・ディトゥスがパワーでインゴールにねじ込んだ。
勇敢な南米の男たちは前に詰めるディフェンスでサモアにプレッシャーをかけ続け、暑さの影響もあったか、サモアはハンドリングエラーを多発した。
それでも、サモアはSOクリスチャン・リアリーファノのペナルティゴールで逆転し、前半ラスト、自陣で相手にプレッシャーをかけてマイボールのスクラムにすると、そこから展開してCTBトゥムア・マヌがディフェンス裏にキック、13番のUJ・セウテニ確保してFBダンカン・パイアアウアにつなぎ、トライを獲りきった。厳しい角度からリアリーファノがコンバージョンを決め、19-10で折り返した。
ムードをよくしたサモアは後半早々、ラインアウトを起点に攻めてサインプレーで崩し、ゴールに迫ったLOセオ・マクファーランドからオフロードパスをもらったSHジョナサン・タウマテイネがインゴールに飛び込んだ。
47分(後半7分)にはCTBマヌがブレイクダウンで奮闘して敵陣深くに入りラインアウトからモールで一気に押し込むと、52分にも強力なドライビングモールでゴールラインを割り、これで4トライ。ボーナスポイント獲得となった。
サモアは後半、チリに得点を許さず、試合終了間際にもドライビングモールでトライを獲りきり、大差がついた。
プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたサモアのLOマクファーランドは、「前半はちょっとだらしなかったかなと思うけど、後半は選手たちが本気を出し、勝ててよかった」とコメント。
セイララ・マプスア ヘッドコーチは、この初戦で得られるものは多かったとし、「チリのおかげだ。彼らは本当に我々にプレッシャーをかけてきたし、それは私たちが必要としていたことだ」と語り、これからの厳しい戦いを見据えた。
白星発進となったサモア代表は次週(22日)にアルゼンチン代表と対戦し、28日にトゥールーズで日本代表と激突する。
チリ代表は23日にリールでイングランド代表に挑む。