ラグビーリパブリック

W杯でまたも南米勢が奮闘 ウルグアイ金星逃すも開催国フランスを苦しめる

2023.09.15

接点でフランスにプレッシャーをかける黄色いジャージーのウルグアイ(Photo: Getty Images)


 日本代表相手にパッションをぶつけたラグビーワールドカップ初出場のチリ代表に続き、同じ南米チームのウルグアイ代表も2023年フランス大会の初戦で奮闘した。
 ロス・テロスの愛称で知られる世界ランキング17位のウルグアイ代表は、9月14日にリールで優勝候補の開催国フランス代表に挑み、12-27で惜敗。後半途中まで1点差と競っていたが、番狂わせとはならなかった。

 一方、開幕戦でニュージーランド代表を下したフランス代表は、この試合でもボーナスポイント(4トライ以上で勝点1が付与される)を獲得することはできなかったが、2連勝となった。

 最初のトライを挙げたのはウルグアイだった。前半6分、ラインアウトを起点に果敢なタテ突進とクイックリサイクルからの展開でフランスを揺さぶり、SOフェリペ・エチェベリーのキックパスが左外のWTBニコラス・フレイタスに通り、ゴールラインを割った。

 ウルグアイは接点でも激しくフィジカルファイトし、フランスを苦しめた。

 フランスは前半に1トライを奪い返して逆転したものの、LOロマン・タオフィフェヌアが危険なプレーでシンビン(10分間の退出)になるなど、なかなか波に乗れなかった。

 ウルグアイは、33分のゴール前でのアタックはオブストラクションの反則があってトライは認められなかったが、8点差で折り返した後半も勢いがあり、53分(後半13分)、FLマヌエル・アルダオのジャッカルで再び敵陣深くに入ると、ランアウトからフェイズを重ね、FBバルタサール・アマヤが鋭い走りでディフェンスを切り裂いた。SOエチェベリーのコンバージョンも決まり、1点差となった。

 しかし、リスタート後、ウルグアイの選手のキックが味方に当たり、跳ね返ったボールを手にしたフランスのHOペアト・モヴァカがインゴールに押さえ、流れを変えた。
 その後、ウルグアイはピンチの場面で粘り強くディフェンスし、この日劣勢だったスクラムでも踏ん張るなど食らいついていたが、フランスは73分にすばやいパス回しからのスピーディーなアタックをトライにつなげ、アグレッシブに健闘したウルグアイを突き放した。

 惜敗したウルグアイ代表キャプテンのCTBアンドレス・ビラセカは、「私は自分のチームをとても誇りに思う。これ以上のチームを率いることはできない。世界最高のチームのひとつであるフランスと、彼らのホームグラウンドで戦ったんだ。試合中ずっとフランスを押し続け、戦い続けることが我々にとっての鍵だった。とても誇りに思う。私たちにとってはこれが始まりだ」とコメントし、今後のイタリア戦、ナミビア戦、そしてニュージーランド戦を見据える。

 一方、勝ったフランスのLOカメロン・ウォキは、「たくさんのフラストレーションを感じた。もっと違うパフォーマンスを見せたかった。スクラムでもルーズでも、自分たちのゲームをまとめることができなかったと思う。優位に立っていたことはわかっていたが、忍耐力が足りなかった。それを改善して、次回はもっと忍耐力を持って取り組む必要がある」と述べ、反則数(15本)の多さについても反省した。「これがワールドカップだ。どの試合も難しい。今夜は少し緩んでいたところがあったので、来週は決勝戦に臨むように準備をする。切り替える必要がある」と、悲願の初優勝へ向け気を引き締め直していた。

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