ラグビーリパブリック

初戦ベンチに頼れる自信家。日本代表のレメキ、「ベスト4は行ける」

2023.09.10

W杯チリ戦へ向けての会見でリラックスした表情のレメキ ロマノ ラヴァ(撮影:向 風見也)


 大会中、トライを獲れる自信はありますか。

 会見でそう問われるや「…当たり前やん! 何、聞いてんの?」。間髪入れずに応じ、記者団を笑わせる。

 レメキ ロマノ ラヴァ。身長178センチ、体重96キロの34歳だ。

 思い切りのよい走り、CTB、WTB、FBと複数のポジションをこなせる万能性、さらにワールドカップは今回が2度目という経験値が光る。

 9月10日、ラグビーワールドカップ2023フランス大会の初戦でリザーブに入る。スタジアム・ド・トゥールーズで、初出場のチリ代表を迎え撃つ。

 1勝5敗に終わった今年7月、8月の強化試合では出番がなかったものの、重要なオープニングゲームで抜擢された。

 日本代表のジャージィに袖を通すのは約2年ぶりだ。それでも、どこか常連組の風情を醸す。

 当日はどのポジションでプレーするかと聞かれ、ひとまず「それは秘密」と微笑む。

「いままではずっとコンディションを上げてきた。頑張ります。まぁ基本、アウトサイドBKをカバーするかな」

 話したのは2日前の会見。臨席したSOの松田力也が殊勝に応じたのを受け、「その答え、何回、練習したの?」と和ませる。いつも明るい。

 あくまで、自分たちの仲間を信頼する意味合いか。自分がフィールドに立つ瞬間を、まずはこうイメージする。

「リザーブは、あまりプレッシャーがない。入る時はもうたぶん、試合は決まっていると思います。試合に出る時が楽しみです」

 相手を侮る意図はない。チームはフランスに入ってから「負けている時、最後にトライを取らなきゃいけない時とか、(さまざまな想定のもとで)練習してきた」とレメキは言う。シビアな準備も施している。

 今度のワールドカップは、どんな大会にしたいか。

「たくさん試合に出てトライをいっぱい取る。NEC(グリーンロケッツ東葛)との契約は5月で終わるから、その頃に『あと3年、契約してください! 給料上げてください!』って。いろんなモチベーションがあるね!」

 2019年に初めて出た日本開催のワールドカップでは、初の8強入りに喜んだ。そして今度のフランス大会では、「ベスト4」を狙えると話す。その心は…。

「2019年の時はホームで、PNC(大会前にあったパシフィック・ネーションズカップ)で優勝していて、プレッシャーがあったね。でも今回はテストマッチで1試合しか勝ってないし、たぶんプールステージで終わると思っている方が多い。前回よりもプレッシャーが少ない。でも、ちゃんと準備はできている。だからベスト4は、行けると思う」

 自分の、自分たちの力を信じている。「自信」がある。

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