優勝チームが昇格チームに敗れる波乱が起きた開幕戦から1年。
関東大学リーグ戦5連覇中の東海大は、今季は危なげなく4季ぶり1部昇格の拓大を下した。9月9日、熊谷ラグビー場で11トライ奪い、71-12で圧倒した。
同会場の第1試合では、昨季初の大学選手権出場を果たした東洋大が要所で強さを発揮。法大との拮抗したゲームを、31-21で制した。
初めてリーグ戦を経験する選手が並んだ東海大は、序盤はやや硬さが出た。相手のキックオフを落球すること3度(後半にも1回)。ウェットなコンディションのなかハンドリングエラーも頻発し、思うような試合展開とはならなかった。
しかし、前半は両WTBの躍動でトライを重ねた。
先制トライは5分。ラインアウトからのアタックでWTB中川湧眞がブレイク、そのままインゴールに入った。続く9分には、反対側のWTB岡村優太がロングゲイン。中川の2本目のトライを引き出した。
その後はスクラムで押されるシーンこそあったが、両WTBは変わらず好ランを披露し続けた。12分にはWTB岡村が再び突破し、19-0。
16分にはSH木本真太郎ゲーム主将がラック脇を突いて拓大が1トライを返し、なおもゴール前に迫ったが、東海大はスクラムでペナルティを奪いピンチを脱する。
28分には反撃に転じ、CTB何松健太郎がトライ。34分、42分にはいずれもWTB岡村がチャンスを演出、38-7として前半を折り返した。
東海大は、後半には安定感を取り戻し、確実にスコアを重ねた。FL薄田周希が攻守に動き続けるなど、5トライを追加。
拓大も右PRのイジー・ソードなどが奮闘したが、1トライを返すので精一杯だった。
第1試合の東洋大×法大は白熱した。
前半、主導権を握ったのは法大。キックで敵陣に入り続け、攻撃を展開した。
しかし、ラインアウト、スクラムで苦戦し、22㍍内に侵入してからのアタックの精度を欠いたことでなかなかスコアできず。
逆にスクラムのペナルティを引き出してピンチを脱した東洋大が11分、モールで20㍍近く前進し、一発で取り切った(5-0)。
法大はNO8高城喜一の突破から再び敵陣22㍍内に入ったが、またも東洋大の堅守に阻まれる。
22分には、相手のキック処理のミスを見逃さなかったCTBモリース・マークスのトライで東洋大が12-0とした。
その後もチャンスを作ったのは法大。セットプレーでミスが続いたが、32分にようやくNO8高城がゴール前で相手のダブルタックルを弾いてトライ。
5点差に迫ると、37分、41分にFB石岡玲英主将が連続でPGを決めて13-12と逆転して前半を折り返した。
しかし、一発で取り切る力のある東洋大は後半の立ち上がりに再びリードを奪う。自陣からのカウンターアタックでSO天羽進亮がブレイク、FB石本拓巳がゴールラインを越えた。
8分にはFB石岡に3本目のPGを沈められるも(19-16)、直後に相手のラインアウトスローのミスに漬け込み、自陣深くからCTBモリース・マークスがロングゲイン、最後はタックルも光るWTB杉本海斗がインゴールに入った。
東洋大はキックオフのノックオンなどイージーなミスも重ねたが、その度にFLタニエラ・ヴェラ主将らが粘り強く体を当て続けて相手の追撃を阻む。
19分にはスクラムの反則からラインアウトモールで31-16とリードを広げた。強みのセットプレーをノーサイドまで発揮し、31-21のスコアで逃げ切った。