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男女セブンズ、アジア大会のメンバー発表。パリ五輪予選の弾みに。

2023.09.07

左から林大成主将、サイモン・エイモーHC、鈴木貴士HC、平野優芽主将(撮影:BBM)

 日本ラグビー協会は、9月24日から中国で開催されるアジア大会に臨む、7人制の男女日本代表メンバーを発表した。同5日、それぞれの監督と主将が会見に臨んだ。

 男子は東京五輪以降も思うような結果を残せない日々が続いている。2022-23シーズンのワールドセブンズシリーズではコアチーム最下位となり、自動降格が決まった。
 8月末のアジアセブンズシリーズでは優勝こそしたが、プール初戦の中国戦を落としていた。

 それでも、林大成主将は「目標はもちろん優勝。アジアで1位になる自信がある」と言い切る。
「アジアシリーズでは香港とのプール戦は27点差でしたが、準決勝は2点差でした。セブンズとはそういう競技。結果だけにフォーカスするのではなく、チームとしてしっかりまとまり、試合ごとに全力を出し切れば結果はついてくる」

 昨年からHCに就任したサイモン・エイモーの指導で、チームの成長も実感している。「チームの戦術、アタック、ディフェンス、個々のスキル、マインドセットは確実に向上しています」

 エイモーHCも、「強豪国に比べて若く(平均26歳)、経験が少なかった。ワールドシリーズは厳しい結果にはなったが、経験を積んだことで戦うマインドセットは養うことができた」と手応えを口にする。

「サイモンは、結果はどうであれ14分間全員戦い続けること、ジャパンとしてのプライドを持つことを常々言っています」と林主将は話す。めまぐるしく攻守が切り替わり、1日に複数試合を戦うセブンズでは、試合終了まで気持ちを切らさないこと、そして次の試合に向かう気持ちの切り替えが重要だ。

「アジアシリーズの中国戦で逆転負けした時も、負けたという結果より、僕たちが後半に臨むマインドセットや個々の努力がベストではなかったことが悲しいと。そう言われたことで、負けを引きずるのではなく自分たちの足りなかったところを振り返って次どう準備するかに切り替えられた」

 11月には優勝すればパリ五輪の出場が決まる、北九州開催のアジア地区予選を控える。
「実力を見せつけて、どこのチームよりも一番優位な精神状態で11月の予選を迎えられるような大会にしたい」と意気込んだ。

 東京五輪以降、男子とは対照的に新たな歴史を作り続けているのがサクラセブンズだ。
 2021-22シーズンのワールドシリーズ、NZ大会(2022年1月)で6位となり、2022-23シーズンのフランス大会(2023年5月)では初の5位と結果を残した。昨年9月に南アフリカで開催されたワールドカップセブンズでも、史上最高位の9位となっている。

 鈴木貴士HCは、「世界の強豪国と戦いながら少しずつ成長してきている。ワールドシリーズを通して、実際に戦ってみないと分からないスピードやフィジカルを体感できて、成長できている」とここまでの歩みを振り返る。

 平野優芽主将も、「これまでで一番(五輪での)メダルに近い位置にいると思っている」と話し、続ける。「ただ、アジアシリーズでは2点差の試合もありました。自信過剰にならず謙虚に成長していく気持ちがあれば、パリでもメダルは取れる」

 パリ五輪を見据え、アジアシリーズ、アジア大会、パリ五輪予選の3大会では、「経験の浅い選手、若い選手に経験を積ませたい」とHCは強化方針を話した。アジアシリーズではキャプテンを須田倫代に託すなど、リーダーの育成も進めてきた。

 アジア大会では五輪同様、他国の代表や他競技の選手たちが集まる選手村で日々を過ごす。「五輪やアジア大会にしかできない経験。五輪をイメージできます。チームジャパンの一員として、自覚と責任を強く持ちながら頑張りたい」と平野主将は語った。

【アジア大会・男子セブンズ日本代表】
石田吉平(横浜キヤノンイーグルス)
石田大河(浦安D-Rocks)
奥平湧(日本ラグビー協会/三菱重工相模原ダイナボアーズ)
加納遼大(日本ラグビー協会/明治安田生命ホーリーズ)
ケレビ ジョシュア(日本ラグビー協会/豊田自動織機シャトルズ愛知)
谷中樹平(トヨタヴェルブリッツ)
野口宜裕(セコムラガッツ)
林大成(日本ラグビー協会)
福士萌起(日本ラグビー協会/日野レッドドルフィンズ)
松本純弥(浦安D-Rocks)
丸尾崇真(日本ラグビー協会/神奈川タマリバクラブ)
吉澤太一(日本ラグビー協会/レッドハリケーンズ大阪)

【アジア大会・女子セブンズ日本代表】
大竹風美子(東京山九フェニックス)
大谷芽生(ながとブルーエンジェルス)
梶木真凜(自衛隊体育学校)
三枝千晃(北海道バーバリアンズ ディアナ)
須田倫代(追手門学院VENUS)
田中笑伊(ながとブルーエンジェルス)
堤ほの花(日体大ラグビー部女子)
中村知春(ナナイロ プリズム福岡)
原わか花(東京山九フェニックス)
平野優芽(ながとブルーエンジェルス)
松田凜日(日体大ラグビー部女子)
水谷咲良(東京山九フェニックス)