ラグビーリパブリック

立川理道が小学生を指導!子どもたちは「すごく楽しかった!」

2023.09.07

「おはようございま~す!」
小学生たちの元気な声が朝の体育館に響いた。
 9月7日、スポーツ庁が実施する「アスリート派遣等による体育授業の充実・高度化の促進事業」(通称:アスリーチ)で、立川理道選手(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)が国立市立国立第三小学校を訪れ、3年生の1限目と2限目の二コマでラグビーボールを使った体育の授業をおこなった。

 今年度の「アスリーチ」は9月に東京都での実施からスタートし、全国の都道府県および政令指定都市の合計600を超える小・中・高校および特別支援学校をアスリートが訪問し、教師とともに体育の授業をおこなう予定になっている。子どもたちがアスリートと直接的に触れ合い、運動の多様な楽しみ方やできる喜びを味わうことを通して、望ましい運動習慣の形成や体力向上・運動能力向上につながる体育授業の充実を目指している。

 この日は一クラス30人弱の3クラス。立川選手が「ラグビーボールを見たり触ったことがある人?」と問いかけると、約1/3くらいの生徒が手を挙げた。なんでも副校長の野口陽子先生はラグビーが大好きで、野口先生のクラスでは必ずタグラグビーを授業でおこなっているという。

「このラインを越えたらボールを床にタッチするんだよ」(撮影:BBM)

 立川選手は、まずボールリレーからスタート。縦に並んでクラスごとにスビードを競い、頭の上から渡したり、股の間を通したりしてボールをつなぎ、生徒たちが楕円球になれてきたところでアドバイス。
「ボールを落とさないコツは、次の人が手を出してボールをもらうこと。これはプロの選手もやっています!」

「ボールを落とさないコツは、ボールをもらう人が手を出してもらうこと」(撮影:BBM)

 そして次は、クラスごとに大きな円を作って同じ方向にボールをパス。立川選手のアドバイスもあり、ミスが減ってきた。右周りが一周したら、今度は左回り。
 1限目の最後はボールを持って走り、床にタッチ(トライ)して戻ってきて次の生徒に渡すリレー。走って、トライして、ボールをつなぐ。徐々にラグビーらしくなってきたぞ。

 2限目はバスケットコートを利用して、ボールを持った生徒が途中に立っている先生のタッチをかわして端から端まで走り抜けるゲーム。立川選手も担任の先生といっしょに子どもたちを追いかける。ボールを持って走る楽しさ、タッチをかわしたときの喜び、生徒たちはラグビーの楽しさの一端を味わっていた。

「タッチされないで向こうまで行ったら勝ちだよ」(撮影:BBM)

 そして後半は講話の時間。
 これまでに数々の挫折を味わってきたという立川選手。その度に家族や、仲間、先生など周りの人に助けられ、支えられてきた。そのおかげで自分の夢・目標に向かっていくことができ、2015年にはW杯に出場することができたし、2022-23シーズンにはリーグワンで優勝することができたという。自身の経験を話しながら、「皆さんも周りの人への感謝の気持ちを忘れずに、夢・目標に向けて頑張ってください」とエールを送り、この日の授業を終えた。

「周りの人への感謝の気持ちを忘れずに」(撮影:BBM)

「生徒たちも言ったことをよく聞いて素直だし、先生方も協力的で助かりました」という立川選手、ちょうど小学校3年生の娘さんがおり、どんなことをやったら楽しいかなどリサーチして準備をしてきたという。またクボタスピアーズのアカデミーのコーチにもアイディアをもらい、「ラグビーボールに触れる機会があまりないと思うので、ボールを持って走ることをメインにメニューを考えました」。

 初めてラグビーボールを触ったという生徒も多く、「楽しかった」という感想がたくさん聞かれた。また、立川選手の話を熱心に聞く姿が印象的だった。
「すごく楽しんでくれているという感覚があったし、こういうことをきっかけに、ラグビーを始めたり見てくれるようになったり、試合を見に行こうという風になってくれたらうれしいです」と立川選手。子どもたちにとっても忘れられない一日となったことだろう。

PROFILE
たてかわ・はるみち
1989年12月2日生まれ、33歳。奈良県出身。180センチ、94キロ。天理高校→天理大学→クボタスピアーズ船橋・東京ベイ。大学時代は主将として大学選手権で準優勝。2015年ワールドカップに出場。日本代表キャップ56。クボタスピアーズでは2016年度から主将。リーグワン2022-23シーズンに初優勝、MVPに輝いた。ポジションはCTB。

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