たくさんの保護者や高校ラグビーファンが駆けつけた菅平高原。この夏は2019年以来の混雑ぶりで、グラウンドでは選手たちが活気に満ちていた。
ここでは編集部が取材した、白熱の練習試合の模様を写真とともに振り返る。(撮影:長岡洋幸)
*各チームのリポートはラグビーマガジン10月号にて紹介。
練習試合 報徳学園14-0流経大柏 8月14日AM
報徳学園はこの夏、ニュージーランドに約2週間の遠征をおこない、帰国後すぐに菅平に上がってきた。初戦がこの流経大柏戦(8月13日)。NZでの学びが早速形として現れた。
光ったのは、昨季花園準優勝の柱となったアタックではなく、無失点に抑えた粘り強いディフェンス。特に後半はほとんどの時間を自陣で過ごしたが、ゴール前まで迫られてもそこからスコアは許さなかった。
「NZではダブルタックル、ブレイクダウン(ラックへのプレッシャーのかけ方)、立ち位置とか、ディフェンスのすべてを学びました。それをしっかりチャレンジしようと話していた」とSO菊川迪主将は言う。
同主将は「今年はディフェンスしないと始まらない。直向きにやるのがこのチームのカラー」と言い切った。
「去年いたタレントは全員抜けました。今年は一人ひとりが直向きにやろうと。今までは(ラックに向かう)2人目がラックに入ったフリをして、本気でプレッシャーをかけたり、めくろうとしていなかった。そうなるとただバックラインの人数が減るだけです。本気でファイトしようと、直向きにやろうと」
飛距離こそあるが精度に欠けたキック、自陣深くまで攻められたディフェンスに課題を残すも、「ゴール前で粘れたことは収穫」(菊川主将)。防御で体を張り続けたとして、キャプテンが活躍を高く評価したのは、LO/FL小林裕太だ。180㌢、72㌔と線は細いが、豊富な運動量で動き続けた。勝負所でジャッカルも決めた。
「モールを全部止めることができて、トライも取れた。FWで勝てたと思うし、失点を0に抑えられたのは自信になる」(小林)
昨季とは違う魅力の報徳を、花園で見せる。