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ワールドカップ直前 立川理道インタビュー① 『この代表は自信をもって送り出せるメンバー』

2023.09.06

昨シーズンリーグMVPの立川理道がワールドカップの解説に挑戦する(撮影:長尾亜紀)

 2015年ラグビーワールドカップに出場した日本代表のCTBで、南アフリカ撃破の大仕事をやってのけたメンバーのひとりだ。日本代表キャップ56を持つ立川理道は、サンウルブズでも活躍し、クボタスピアーズ船橋・東京ベイの主将として2016年度からチームを牽引してきた。

リーグワン2022-23では、スピアーズが史上初めて国内の頂点に立つ戦いを先頭でリードした。結果、同シーズンのリーグMVPにも選出された。

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リーグワンで戦ってきた選手たちへの期待は大きい(撮影:長尾亜紀)

 そんな価値ある男がJ SPORTSで放送されるワールドカップの解説を務める。  
 まず、ワールドカップに出場する日本代表メンバーの顔ぶれを見て、「国内でおこなわれた直近の5つの国際試合でしっかりしたパフォーマンスを出した選手が選ばれた印象です」と言う。国内リーグで競争してきた選手たちだから自信を持って送り出せるメンバーと期待を込める。

「4回目の出場となる堀江さん(翔太/HO)、リーチさん(マイケル/FL・NO8)ら経験のある選手たちもいれば、初めてのワールドカップという選手も少なくない。いいバランスだと思います」

 大会前に、ワールドカップでの結果を心配する声が出るのはいつものことだ。「期待と不安が入り混じった声が出るのは、どの大会でも一緒だと思います」と笑い飛ばす。
「大会前になかなか勝てず、選手たちも自信と勢いを持って大会に臨む空気になっていないとは思いますが、チームは大会中に、『変わる』タイミングをつかむもの」と頼もしい。
 

「自分が出場した2015年大会の直前も、ジョージアに勝ってスクラムに手応えは得たものの、そのシーズンの勝率が良いわけでもなかったし、勢いがあったわけではない」2019年大会前はパシフィック・ネーションズカップで優勝して大会に突入するも、初戦のロシア戦は快勝といかなかった。

「負けを経験しながら成長することもあります。勝って反省もあるでしょう。後者の方が自信をつけていく上ではいいのでしょうが、起きてしまったことは仕方ない」と割り切る。

『大会前の成績と、ワールドカップでの成功は関係ない』とは、歴史の中で言い伝えられることだ。
「僕も、そう思っています。2015年の日本代表は初戦の南アフリカ戦で、2019年のチームは(2戦目の)アイルランド戦で自信をつかめた。あそこが、一気に変わるチャンスでした」

 チームは大会中も成長できる。成長しないと成功はつかめない。だから、今大会では「初戦のチリ戦(9月10日)で自信をつかむことが大事」と前を向く。「チームはスコッドが決まると、急速に結束するものです。開幕までの時間にもチームは成長していると思います」

 世界の舞台に立つ日本のメンバーを見て、チームの持ち味を思い浮かべる。

「特別にフィジカルが強い選手がいるわけでも、スーパースターがいるわけでもない。誰かに頼って戦うことはないでしょう。本当に一体となって戦うチーム。スクラムも試合ごとに良くなってきたので、セットプレーがさらに安定すれば、BKの日本らしいプレーがもっと出るでしょう」キックを使うことができる。ボールキープも。その試合に合ったゲームプランを使い分けられる力はある。

「2015年大会の自分もそうでしたが、大会に入って自信をつかみ、一気に力を出す選手もいるでしょう」厳しい競争を勝ち抜いてメンバーに選ばれた選手たちには、余すことなく力を発揮してきてほしい。

立川とプライベートでも仲の良い垣永真之介。31歳で初めてのワールドカップ挑戦となる(写真提供J SPORTS/撮影:Yuuri Tanimoto)

 仲の良いPR垣永真之介が選ばれ、自分のことのように喜んだ。
「過去2大会は選に漏れた。それでもモチベーションを落とさず頑張ってきてつかんだものですから、本当に嬉しいでしょう。奥さんに伝えた次に、連絡してきてくれました」

 日本が今大会も浮上するためのキーマンについては、SH流大と考えている。「直近の試合を見ると、際立った働きを見せていたと思います。特にいまのチーム状況の中では重要な選手。先発でもベンチスタートでも、常に100パーセント。彼を中心にチームが回っていけばいいと感じています」

 リーグワンでは対戦相手として戦い、その良さを体感している。
「声でチームに勢いをつけられる選手です。FWとBKのつなぎ役で周囲をいきいきさせる。自分のプレーにも自信を持っている。キックも、ショートサイドを攻める判断もいい。チームの良い面を引き出してくれるはずです」

チームがどんな状況でも100%の力を発揮しチームのつなぎ役になれる流(写真提供J SPORTS/撮影:S.IDA)

 キャプテンに就いた姫野和樹への期待も大きい。
「日本代表を率いるのは大変なプレッシャーだと思います。表情を見たり、言葉を聞いていても、責任感を強く感じているのが伝わってくる。笑顔で、楽しくプレーしている姿をW杯で見たい。そうすれば姫野らしいプレーでチームを引っ張れると思うので」

 2大会前に世界を驚かせたジャパンの先輩は、フランスからビッグニュースが届くことを待っている。

PROFILE
たてかわ・はるみち

1989年12月2日生まれ、33歳。奈良県出身。180センチ、94キロ。天理高校→天理大学→クボタスピアーズ船橋・東京ベイ。スピアーズでは2016年度から主将。日本代表キャップ56。2015年ワールドカップに出場。ポジションはCTB。ラグビーワールドカップ2023はJ SPORTSで解説を務める。

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