ラグビーリパブリック

熊谷工業75周年。「同い年」の日川を招いて聖地で対戦

2023.09.04

聖地・熊谷ラグビー場で記念試合に臨んだ熊谷工の面々(撮影:BBM)

 9月3日、熊谷工業高校の創部75周年を記念して、日川高校との交流試合がおこなわれた。会場は、熊谷文化スポーツ公園ラグビー場Aグラウンド。ワールドカップも開催されたラグビータウン熊谷の聖地に、両校現役高校生の覇気ある声が響いた。熊谷工が55-0で日川を押さえ込んだこの試合は、7日から2日間にわたって開催された熊谷ラブビーフェスティバルの一部としておこなわれた。

「この試合を、公式戦と同じようにとらえて、一つのターゲットにしてきました」(橋本大介監督)

 ホストの熊谷工業はこの試合にかける思いが強かった。昨季花園予選は4強、春の関東大会予選は8強。県内の花園切符争いは近年、ますます混沌としている。今年こそ、の思いを叶えるための花園予選は9月下旬にスタートする。集大成に向かうチームは、日川を55-0で破る出来で、節目のゲームを戦い切った。記念試合に招かれた日川は山梨県から花園出場52回。同じく今年創部75周年を迎えるライバルだ。

 熊谷工業は花園出場23回を数える名門校だ。花園優勝1回、準優勝1回と長い歴史の中でトップまで上り詰めた経験もある。かつて部員は70人、80人の規模。現在は選手40人とマネージャー4人。花園出場からは1996年度以来、離れてしまったが、ブルーに赤と黒をラインが鮮やかなジャージーに滲む矜持は変わらない。

「今年はゼロを意識してきたので、失点なしで抑えることができてとてもうれしい」とは、FL佐藤陽翔主将。

「体が小さくても、粘り強く戦う。走る」橋本監督は、ラグビーそのものが変わりゆく中でも、変わらないものを見据えている。

 小中学生に向けたアカデミーの構想など、地域への貢献も見据えてすでに動き出している熊谷工業。部員の規模が小さくなった今でも、地域のネットワークで「熊工でラグビーを」と推される少年たちが集まるという。中学までにラグビー経験がある生徒は全体の半数ほど。今年は3年生8人と特に少数精鋭となったが、16人ずついる1、2年生の代は、経験を積み、たくましさを増している。

次の時代も、地域の応援を受けて熊谷工業が前進する。

試合後はお互い朗らか。熊谷工・佐藤陽翔主将(左)と日川・佐藤瑛斗主将(撮影:BBM)
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