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【忽那健太のスコットランド挑戦記 #3】高まるワールドカップ熱。国内リーグもいよいよ開幕。日本人としての意地を見せたい

2023.08.31

今週末から始まるスコットランドアマチュアリーグ。開幕戦、10番で先発予定。(本人提供)



 皆さんこんにちは。現在、スコットランドで活動中の忽那 健太(くつな けんた)です。
 私は今、イギリス北部のスコットランドにて国内最高峰リーグでの日本人初契約獲得を目指して挑戦を行っています。

 スコットランド国内は現在、ラグビー一色。代表の活動に注目が集まっているのはもちろんのこと、国内のクラブラグビーもいよいよ今週から開幕し、国全体のラグビー熱が日に日に高まってきています。

 そんな日本から遠く離れたスコットランドのラグビー情報をお届けします。

 今シーズン、私が所属しているヘリオッツラグビークラブが戦うアマチュアトップリーグ(通称、プレミアシップリーグ)は9月2日からスタートします。

 プレミアシップは国内トップ10チームが半年をかけて週末に各地で試合を繰り広げ、ホーム&アウェイで試合をおこないます。

 プレーオフも加える試合数は20試合以上を超えるタフなスケジュールです(アマチュアリーグはディビジョン1から5まである)。

 当然アマチュアなので選手たちは平日、自分の仕事をこなしてから夕方の練習に参加します(私もチームメイトが経営している引越し会社でアルバイトをしています。朝から晩まで汗を流してから夕方の練習参加は非常にタフですが、充実感があります)。

 ここでの結果が来季の国内最高峰セミプロフェッショナルリーグ『フォスロックスーパーシリーズ』への挑戦の鍵を握る重要なものになってくるので、非常にワクワクしています。

 8月中旬にはチームで隣国スウェーデンのストックホルムに遠征をおこないました。
 スウェーデン国内のトップクラブと試合をする貴重な機会をいただきました。

所属クラブ ”ヘリオッツラグビークラブ”のストックホルム遠征 集合写真(本人提供/前列右から4番目)


 想像以上のラグビー技術の高さに驚かされました。ラグビー人気も高いと聞きました。観客も多かったです。
 バックスの選手に190センチ以上の選手が3人ほどいました。フィジカルが強く、FWのセットプレーも強力でした。

 試合は、見事に勝利をおさめることができました。
 チームはいい雰囲気でシーズンに臨めそうです。

 今週末の開幕戦に10番として選出され、試合に出場する予定です(対Marr RFC)。司令塔として仲間をしっかりとリードしてチームを勝利に導きたいと思います。
 日本人ラグビー選手としてのプライドを持って戦い、今シーズン大きな結果を掴みにいきます。

 スコットランド代表に目を向けると、日に日に街中で代表ジャージを着て歩いている人の姿を見かけることが増えてきました。

 同プールには南アフリカ、アイルランド、トンガ、ルーマニアが集い、他のプールと同様に激しい戦いが予想されます。

 今月は2度、マレーフィールドスタジアムに足を運び、イタリアとフランスとの代表戦を2試合観戦しました。
 観客数6万人以上が入った会場でバグパイプが奏でるスコットランド非公式国歌「フラワー・オブ・スコットランド」の大合唱を聴いた時は鳥肌が立ちました。

スコットランドラグビーの聖地 マレーフィールドスタジアム入り口にて。(本人提供)


 試合は2試合ともスコットランドの逆転勝利でした。
 特にフランス戦では後半10分にレッドカードを受け、人数的に不利な状態でも果敢にボールを動かして攻め立てる姿勢から「ホームで絶対に負けるわけにはいかない」という意地を感じました。

 試合後は勿もちろん、仲間と近くのパブへ。
 観戦後に両チームのユニフォームを着た観客同士が入り混じり、左手にビールを持ちながら試合談に花を咲かせる光景を見て、まさにこれぞラグビーの醍醐味(ノーサイドの精神)だなと感じました。

 僭越ながら最近は、あえて日本代表ジャージを着て自チームの練習に参加しています。仲間たちは「日本代表応援しているよ!」「W杯で注目してるよ!」と言ってくれる選手が多く、この国で沢山のリスペクトを受けていることを実感しています。

 スコットランドと日本の両国がプールステージを通過し、さらに前回大会以上の高みに上り詰めることを祈っています。
 今後もスコットランドから熱い声援を送ります!


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