8月26、27日、「アジアラグビーセブンズシリーズ2023」の第1ラウンド・韓国大会が仁川市の仁川南洞アジアドラグビー場で開催された。男女8か国・地域が参加。セブンズ日本代表は男女とも決勝に進み、男子は香港を12-10、女子は中国を14-12と接戦を制し、優勝した。
11月18、19日に福岡県ミクニワールドスタジアム北九州でおこなわれる「パリ五輪アジア最終予選」に向けて幸先良いスタートを切った。
<男子>
日本はプール戦で27-0と完勝した香港と決勝で再戦した。前半は日本のペース。2分30秒に敵陣10メートル外からアタックを継続し、最後は左隅にティモ・スフィアが先制トライ。4分すぎには石田大河から奥平湧へつなぎポスト右へ仕留める。コンバージョンは野口宣裕が決めて12-0で折り返した。
後半は香港の時間になる。2分、日本陣へ入り22メートル右ラインアウトからオープンサイドへ展開する。インゴールへ迫るも林大成がトライセーブで防いだ。3分、ゴール前のPKからナルドニがタップで突っ込んでトライライン越え。1分後にはスクラム起点で再びナルドニが2本目のトライを奪った。しかし、香港はゴールキックが決まらずに12-10で終えた。
3位決定戦は地元・韓国がUAEを後半の逆転で19-12で下した。
前半は韓国が3分すぎにゴール前22メートル左スクラムを得る。SHの張容興(チャン・ヨンフン。元NTTコミュニケーションズシャイニングアークス浦安)から張ジョンミンにつなぎ右中間へ先制トライ。対するUAEは5分、今大会で豪快なランを見せてきたナイサウのゲインからヴォラヴォラへ渡し左中間へ仕留め、コンバージョン成功で逆転した。6分にもUAEが相手反則から攻撃を続け、ヴォラヴォラのゴール前へのグラバーキックをヅボイスが拾い、トライを奪い5-12で後半へ。
後半1分すぎに韓国がUAE陣へ入るとフェーズを重ね、金グァンミンが中央へトライ。コンバージョンも決まり同点に追いつく。そして終盤、UAEが韓国陣10メートルでスクラムとなったが、ボールがルーズになり韓国へ、鄭演植(チョン・ヨンシンク。元日野レッドドルフィンズ)がディフェンスを振り切って50メートル走り切り、これが決勝点になった。
5位決定戦は中国が54-5でシンガポールを圧倒。7位決定戦はマレーシアが21-19でフィリピンに競り勝った。
<女子>
日本は、決勝でアジアのライバルである中国と対戦。
前半は中国がリードした。1分すぎに中央線から日本エリアに入ったスクラムを得ると、そこを起点にアタックを継続し、ルアンが中央へ先制トライ。7分には、ボールを持ったガオがインゴールへ運んだ。
0-12で折り返した日本は後半にかけるしかない。2分すぎに仕掛ける。中国エリアへ入ったところでタックルされるも、中国のノックオンになり、日本ボールとなった。サクラセブンズ復帰のフィニッシャー、堤ほの花へボールが渡ると、堤は50メートルを駆け抜け、須田倫代がコンバージョンを確実に決めて7-12とした。そして6分すぎ、日本が攻めるもラックでボールがこぼれ、中国へ。ディフェンスがいないなかゴールラインへ迫ったが、トライ寸前に大竹風美子が追いつき、背後からタックル、トライを防いだ。そして7分すぎ、日本は中国エリアへ入る。中国の選手が危険なタックルをして退出となり、数的有利となった日本が攻め込んだ。堤がゴール前でタックルを受けるも、フォローした須田が拾いラインを越えインゴール中央へ運ぶ。同点トライ! コンバージョンも決めて14-12となり、劇的な逆転勝ちで栄冠を勝ち得た。
3位決定戦は、タイが香港を22-14で下した。
太陽生命ウィメンズセブンズシリーズでも躍動したナナイロプリズム福岡所属のジラワン・チュトラクンらが攻守に活躍。前半35秒、タイがゴール前左で反則を得ると、右へ振り、チュトラクンが先制トライを挙げた。その後、香港に2トライを許し逆転されたが、タイはあきらめず前半終了のホーンが鳴ったあと右中間に仕留め5点を返し、10-14で折り返した。
後半、香港がキックオフを失敗し、タイが敵陣に入ると、ナヴァカエウが45メートルのランで逆転。さらに4分、ナヴァカエウの連続トライで勝利を引き寄せ、3位に躍進した。
5位決定戦はカザフスタンが32-5でシンガポールを下し、7位決定戦はフィリピンがマレーシア相手に26-10で制した。
<今後の男女セブンズ主な国際大会>
●第19回アジア競技大会(中国・杭州市/9月24~26日)
●アジアラグビーセブンズシリーズ・タイ大会(バンコク/10月14~15日)
●パリオリンピック・アジア予選(福岡・ミクニワールドスタジアム北九州/11月18~19日)