イタリアに遠征中の日本代表が、開幕まであと約2週間と迫ったラグビーワールドカップ2023フランス大会を前に、最後のウォームアップゲームを今週末におこなう。トレヴィーゾで現地時間8月26日、世界ランキングがひとつ上(13位)のイタリア代表とテストマッチだ。
イタリア代表は今年のサマーネーションズシリーズでスコットランド代表とアイルランド代表に敗れたものの、先週は同じくワールドカップ出場国のルーマニア代表を57-7と圧倒している。
ワールドカップでイングランド代表やアルゼンチン代表など強豪ぞろいのプールに入る日本代表にとって、ヨーロッパの難敵を相手とする貴重な腕試しとなる。
「ラグビーテストマッチ 2023 サマー・ネーションズシリーズ」
「イタリア vs 日本」をはじめ、強豪国が対戦する全16試合を放送・配信!
ワールドカップ前最後のテストマッチということで、日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは「キッキングゲームのバランスと、プレッシャー下でいかにゲームをコントロールするかを見ていきたい」と言う。イタリア代表と対戦することについては、「パーフェクトな相手だと思う。いままで8回対戦して2回しか勝ったことのない相手だし、シックスネーションズ(欧州強豪6か国の対抗戦)ですごくもまれて強いチームだ。セットピースベースのゲームを多くこなしており、イングランドもアルゼンチンも似たようなチームなので、絶好の機会となるだろう」と語った。
LOワーナー・ディアンズやFLピーター“ラピース”・ラブスカフニなど、キープレーヤーの数人が負傷や出場停止処分で出られないなか、頬骨のけがから回復した23歳のFL福井翔大がテストマッチで初先発となる。また、テストマッチ未経験ながらワールドカップスコッド入りを果たしたLOサウマキ アマナキがチャンスを与えられてベンチ入りし、出番があれば日本代表初キャップとなる。ジョセフ ヘッドコーチは「彼はこの2カ月間、すごくワードワークをし、競争が激しいポジションでチャンスが回ってきた。試してみたい」とニューフェイスに期待する。
そして、7月22日のサモア戦で危険なプレーをし2試合出場停止となったリーチ マイケルが処分明けで6番をつけることになり、日本代表として80キャップ目を獲得する。ワールドカップでもキャプテンを務める姫野和樹はNO8で先発。FWの2列と3列で貴重な存在であるジャック・コーネルセンはLOを任された。フロントローのスターターは、PRクレイグ・ミラー、HO堀江翔太、PR具智元となった。
ハーフ団の先発はSH流大とSO李承信のコンビ。「流はリーダーシップとスピードがあり、経験をもとにいい判断をチームにもたらしてくれる。彼は副キャプテンでもあり、最初にチームに自信をつけてくれる選手だと思っている。齋藤(直人)もすごくいい選手だが、どっちがスタートでどっちがフィニッシュ(後半出場)かいろいろ試しているなかで、今回の試合では流に先発を託した。SOも同じような理由。(松田)力也も経験のある選手だが、まだトップパフォーマンスは発揮できていないと感じており、今回は(李)承信をスタートで試してみようと思っている」(ジョセフ ヘッドコーチ)
チームの状態はとてもいいと指揮官は言う。「(国内)5試合のなかではレッドカードが出たり、チームにとってフラストレーションがたまるような状態だった。けが人も出て、変にチームの自信を削ぐようなことにつながったが、いまはそれを全部乗り越えて、悪い運はすべて置いてきた。いまはフィジカルともに、チームはすごくいい状態だと思う。メンタルの部分で言うと、ワールドカップのセレクションが日本でおこなわれたことによって、選手はよりプレーに集中できている気がする。チームは一体化している」と自信を持つ。
日本代表×イタリア代表戦は日本時間で深夜となり、27日1時30分キックオフ。NHK総合やWOWOWプライムなどで生中継される。
▼日本代表(vs イタリア代表戦)登録メンバー
※ 画像をクリックするとPDFで大きく表示できます。
1.クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/12 caps)
2.堀江 翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ/71 caps)
3.具 智元(コベルコ神戸スティーラーズ/24 caps)
4.ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ/15 caps)
5.ヘル ウヴェ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/18 caps)
6.リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京/79 caps)
7.福井 翔大(埼玉パナソニックワイルドナイツ/1 cap)
8.姫野 和樹(トヨタヴェルブリッツ/28 caps) ※主将
9.流 大(東京サントリーサンゴリアス/33 caps)
10.李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ/9 caps)
11.ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京/3 caps)
12.長田 智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ/3 caps)
13.ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/13 caps)
14.セミシ・マシレワ(花園近鉄ライナーズ/4 caps)
15.松島 幸太朗(東京サントリーサンゴリアス/50 caps)
16.坂手 淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ/36 caps)
17.稲垣 啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ/48 caps)
18.ヴァル アサエリ愛(埼玉パナソニックワイルドナイツ/25 caps)
19.サウマキ アマナキ(コベルコ神戸スティーラーズ/―)
20.ベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ/7 caps)
21.齋藤 直人(東京サントリーサンゴリアス/14 caps)
22.松田 力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ/32 caps)
23.中村 亮土(東京サントリーサンゴリアス/34 caps)