ヴィリミ・ヴァカタワが復活する。
8月18日(現地時間)にサモア代表と対戦するバーバリアンズのメンバーとして正式に発表された。
フランス代表CTBで活躍し、32のキャップを持つヴァカタワ(31歳)は、2019年ワールドカップ日本大会前に心臓の異常が発覚し、その時点ではプレーを継続することに支障はなかったが、昨季のトップ14開幕前のメディカルチェックに加えてさらに精密な検査をしたところ、病気が進行していることがわかり、これ以上強度の強いスポーツを続けることは危険とトップ14の運営団体であるLNRのメディカル委員会に判断され、昨年9月に引退を発表した。昨年7月のフランス代表としての日本戦が、彼の最後の試合となっていた。
今回の復帰にあたり、ヴァカタワは『レキップ』のインタビューに答えている。
「約1年前、引退発表をするのはとてもつらいことだった。というのは、僕自身の心の底では、健康に不安はなかったから。だからこれでラグビーが終わったとは思っていなかった」
突然のことだった。
「昨年の夏、日本遠征に参加した。とても暑かったよ(笑)。ラシンに戻ってシーズンの準備をしていても何も感じていなかった。ドクターは彼の仕事をしたまでのこと。ラシンも(これ以上プレーできないと)決定を下した。その決定を尊重している。ただ僕自身は『まだ終わりじゃない。何か方法があるはずだ』と思っていた。フランスでは(メディカル委員会にプレー継続不可と判断され)無理だから、どこか他のところでプレーできるように何かが見つかると信じていた」
引退発表の後、シーズンが終わるまでラシンでエスポワール(アカデミー)のコーチのアシスタントをしていた。
「その時もプレーしたいという気持ちは常にあったから、選手の数が足りない時はエスポワールの選手に混じって練習もしていた。オフにフィジーに帰り家族や知人に会って、『きっとまたプレーできる、心配ない』と言われ、モチベーションが強くなった」
フランスに戻って行動に移した。
「エージェントに連絡して何か見つけてくれるよう依頼し、自宅でバイク、ジムでウエイトトレーニングを始めた」
そしてバーバリアンズという機会を与えられた。
「神に祈りが届いた。僕は神を信じる。神が僕にこの才能を与えてくれた。ラグビーの選手として、まだまだするべきことがあると信じている。いつかはコーチになるかもしれないけど、今じゃない。まだグラウンドで僕の才能を見てもらいたい。後悔したくないんだ。だってまだプレーできるということを、僕自身が知っているのだから」
パット・ラム(バーバリアンズ ヘッドコーチ)から電話があった後、すぐにマウスピースを探したと言う。
「試合の準備、チームメイトと一緒に過ごす時間、全てが懐かしい。待ちきれない!」
ヴァカタワのエージェントによると、ヴァカタワはバーバリアンズのツアーに参加し、サモア、ノーサンプトン、ブリストル、マンスター、ハーレクインズ、ウェールズと対戦する予定だ。今回バーバリアンズを率いるパット・ラムはブリストルのディレクター・オブ・ラグビーだ。順調に進めば、ブリストルでプレーできることになるかもしれない。神のみぞ知るところだ。