パシフィックネーションズ相手のタフなテストマッチで、日本代表がようやく今季初勝利を手にした。ワールドカップへ向けての強化試合となる4戦目は、7月29日に東大阪市花園ラグビー場でおこなわれ、これまで3連敗だった日本代表は、21-16でトンガ代表に競り勝った。
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序盤からトンガが押し気味にゲームを進め、日本は苦しい時間が続いたが、7番を与えられ今年初出場となったベン・ガンターの好タックルなどもあってピンチをしのいだ。
すると20分、日本はキック&チェイスで相手にプレッシャーをかけて落球させ、敵陣22メートルライン手前のスクラムから攻めるチャンスを得ると、ループをまじえたムーブから、WTBセミシ・マシレワがタックラーをかわして外にいたWTBジョネ・ナイカブラにボールをつなぎ、先制トライが決まった。
しかし、難敵のトンガは23分、代表資格変更でジャージーを赤に変えた元ニュージーランド代表の15番と6番が流れを変える。FBチャールズ・ピウタウの力強いカウンター後、FLヴァエア・フィフィタがブラインドサイドでタックラーをかわしてゲインし、主将のSHソナタネ・タクルアにつないでトライを奪い返した。
同点とされた日本は30分、スクラム後のルーズボールをめぐってガンターらが相手にプレッシャーをかけて反則を引き出し、SO李承信がペナルティゴール(PG)を決めて勝ち越し。
ハーフタイム前には、左外でボールをもらったナイカブラがキックを放つと、バウンドは日本にとって幸運となってチェイスしていたLOアマト・ファカタヴァがインゴールに押さえ、13-5で折り返しとなった。
後半早々、フィジカリティでプレッシャーをかけるトンガに対して日本の反則が続き、PGを2本許して2点差に詰められたが、日本は53分(後半13分)、敵陣22メートルライン内に入ると、ラインアウトからテンポよくボールを回してWTBマシレワがトライ。
トンガもしぶとく、57分に日本陣内深くに入ると、ラインアウトからモールを組み、塊をずらして5点を奪い返した。
再び2点差とされた日本。それでも、フィジカルが強いトンガに対して初先発の新鋭CTB長田智希がブレイクダウンで奮闘してチームを活気づけ、後半途中から入ったNO8テビタ・タタフ、PR具智元、FB松島幸太朗らもチームにエナジーをもたらし、同じく途中出場のSO松田力也がPGでリードを広げた。
日本はがまんのディフェンスを続け、試合終了間際、相手にインターセプトされピンチとなったが、松島が止め、その後もボールをキープしたトンガに対してHO堀江翔太がブレイクダウンでからんで反則を引き出し、今季初勝利を手にした。
キャプテンを務めた姫野和樹は、「まずは、素直に勝利が嬉しい。ファンの皆さんにたくさん心配をかけたが、勝利できたことをチームで祝いたい。自分たちのラグビーは、世界に劣らないプランがあると思っている。そのプランを、グラウンドのなかで楽しんでプレーすることで自分たちのラグビーは完成すると思っている。ここまで苦しい試合が多くあったが、そのなかでチームの絆は深まったと感じている。それが、終盤のところで表れたんじゃないかと思う」とコメントした。
日本代表は次週、8月5日に東京・秩父宮ラグビー場でフィジー代表と対戦する。ワールドカップスコッドメンバーが発表(8月15日予定)される前の国内ラストゲームとなる。