順調に階段を昇っている。
23歳の日本代表CTB、長田智希が、テストマッチで初めて先発する。
7月28日、大阪・花園ラグビー場でおこなわれるトンガ戦で12番を背負う。
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ワールドカップへの準備を重ねる日本代表に加わって1か月半。浦安と宮崎の合宿でアピールし、ジャパンXVとしての初戦から3戦は途中出場を重ねてきた。
その初戦でオールブラックスXV相手に途中出場で(14分間)プレーすると、次戦は日本代表として同じ相手と対峙し、後半11分からピッチに立った。
続くサモア戦は初のテストマッチ出場となった。3戦連続で23番を背負った。後半20分過ぎからの登場だった。
それぞれの試合で持ち味を出した。特にオールブラックスXVとの第2戦でのランと、トライアシストのプレーは印象的だった。
サモア相手にも、低い重心の走りで鋭いステップを見せた。
トンガ戦の試合出場メンバー発表時、今季ここまでのパフォーマンスを振り返ったジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは、「12番については、どの選手もそのポジションを狙いにいける」と言った。
過去3戦のインサイドCTBの働きは、求めるスタンダードに達していないようだ。
その中で長田については、「オールブラックスXV戦でポテンシャルを見せ、テストマッチのプレッシャーにも耐えられる可能性を見せた。(トンガ戦に)スタートで出るにふさわしい」と評価した。
7月28日、試合前日の記者会見に参加した長田は、「コンディションはベスト。いい準備ができている」と話した。
「トンガはフィジカルでプレッシャーをかけてくると思います。12番はセットプレーのファーストプレーなど、相手とぶつかるシーンで大事なポジション。そこで役割を果たしたい」
ワールドカップには当然出たい。しかし、最終的な33人のスコッドに残ることを必要以上に意識しない。
「テストマッチのメンバーに選んでもらったことが大きい」と、目の前のことに集中する。
中村亮土のことを、「スキルが高く、フィジカルの面も強い」と言う。中野将伍のパワフルさには敵わない。
自分の強みは、チームに求められているプレーをすることだ。
「防御時に穴を埋める。ボールを持ったときなら、相手をズラして前に出て、チームのアタックに勢いをもたらしたいと思います」
ワイルドナイツのチームメートでもある13番のディラン・ライリーとは息の合ったプレーができそうだ。
オールブラックスXVとの第2戦のシーンを思い出して言う。
「あの試合(の後半)、ディランが抜けたプレーがありました。内側で僕が仕掛けてパスを出したら、ディフェンスが乱れてチャンスになりました」
自分らしく動けば好機を作れる。そう分かった瞬間だった。
途中出場時はプレータイムが限られているため、一つひとつのプレーで力を出し切ることが重要だった。
しかし先発となれば、80分経った時に、チームが勝者となるためのゲームメイキングも役割のひとつとなる。
今回も指揮官の期待に応えられたなら、フランスの地がグッと近づくことになるだろう。