開幕まで50日を切ったラグビーワールドカップで同組に入る日本代表とサモア代表が、7月22日に北海道・札幌ドームで前哨戦をおこない、日本は22-24で敗れた。前半30分に主力選手のひとりであるNO8リーチ マイケルが危険なプレーで一発退場となり、厳しい戦いを強いられた。
日本は、今夏の「リポビタンⅮチャレンジカップ2023」でニュージーランド代表予備軍のオールブラックスXVにも敗れており、JAPAN XVとして臨んだ試合も含め、これで3連敗となった。
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過去5勝11敗と大きく負け越していた難敵に対し、日本は先制した。
前半6分、相手にプレッシャーをかけて敵陣深くのスクラムから攻めるチャンスを得、この試合で初キャップとなったLOアマト・ファカタヴァがトライを決めた。SO李承信のコンバージョンも成功。
その後、両チームともペナルティゴール(PG)で得点し、10-3となった。
流れが大きく変わったのは30分、札幌山の手高校出身で“凱旋試合”に張りきっていたNO8リーチ マイケルが、仲間と2人がかりでサモアの強力なボールキャリアーを止めに行った際、肩が相手の頭部にコンタクトしてしまい、危険なタックルと判断され、レッドカード。退場となり、日本は残り時間を14人で戦うこととなった。
数的有利となったサモアは37分、ゴールに迫ってFWがピック&ゴーを繰り返し、FLアラマンダ・モトゥンガがトライを獲得。コンバージョンも成功で同点に追いつき、10-10で折り返しとなった。
日本は後半の入りよく、SO李がPGをふたつ決め、6点リードしたものの、リスタート後の48分(後半8分)、日本陣内深くに入ったサモアのSHジョナサン・タウマテイネがFB山中亮平のキックをチャージし、インゴールに転がったボールを押さえた。そして、オーストラリア代表から資格変更しこの試合がサモア代表デビューとなったSOクリスチャン・リアリーファノがコンバージョンを決め、逆転した。
それでも、日本はバックローのスペシャリストを1人失いながらも、57分、スクラムで奮闘して敵陣深くに入り、連続攻撃で相手に反則があり、PGで再びリードを奪った。60分にはCTBディラン・ライリーがブレイクダウンで奮闘してショットチャンスをつかみ、加点、22-17となった。
しかし、リスタート後、日本にエラーが出てサモアにスクラムからのアタックを許してしまい、失点。リアリーファノが厳しい角度からコンバージョンを決め、22-24とゲームをひっくり返した。
この試合、ラインアウトで相手にプレッシャーをかけ続けた日本は、75分、LOヘル ウヴェのスチール後、途中出場で初キャップとなった新鋭CTB長田智希の好走もあって敵陣深くに入ったが、連続攻撃はブレイクダウンで絡まれ、得点につながらず。
そして、80分経過を報せるサイレンが鳴ったあと、日本は9フェイズ重ねたが、反則を犯してプレーは止まり、試合終了となった。
共同主将を務めたHO坂手淳史は、数的不利で厳しい戦いとなった試合を、「全員で、やることをイメージしていたし、14人になったときにどういう戦い方をするかというところも、全員で理解した上で、ゲームに入っていた。そこを出し切りたかったが、足りなかったかなと思う」と振り返る。
次戦は7月29日、大阪・東大阪市花園ラグビー場でトンガ代表と対戦する。
坂手は、「もっと強くならなければいけないというのは確実に言えること。もっとみんなで成長したい。これまで出た課題をクリアにして、みんなで結束して頑張っていきたい」とコメントした。