開幕まで2カ月を切ったラグビーワールドカップへ向け、タフで貴重なレッスンとなった。
日本代表は、ニュージーランド代表予備軍的なクラスの選手で編成されたオールブラックスXVに挑んだが、倒すことはできなかった。東京での第1戦で苦汁をなめさせられたのに続き、7月15日に熊本・えがお健康スタジアムでおこなわれた第2戦は、27-41で敗れた。
ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは、「自分たちのラグビーができたところもたくさんあった。選手たちのトライを獲りにいく意志、やる気はすごくあったと思う」と試合を振り返る。「しかし、質の高いチームに対してミスをしてしまうと、罰を受けることになってしまう。ミスをなくすことができればテストマッチでも勝てると思う。ただ、ミスはなくさないといけないが、自分たちらしいラグビーはしっかりやっていってほしい。自分たちが成長していくなかで、しっかり自信をつけていってもらいたい。毎日毎日、日々改善して、チームを作り上げていきたい」
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鋭いランナーがそろうオールブラックスXVに、前半12分までに2トライを奪われたのに対し、日本は18分、敵陣深くに入ってスクラムから攻め、CTBディラン・ライリーが抜けてインゴールに飛び込むも、落球で得点できなかった。
しかし、SO李承信のペナルティゴール(PG)2本成功でスコアボードを動かし、6点ビハインドで迎えた25分、日本はFB松島幸太朗らのブレイクで敵陣深くに入ってフェイズを重ね、最後は松島がインゴールに持ち込み、オールブラックスXVから初トライを挙げた、コンバージョンも決まり、13-12と逆転した。
しかし30分、日本に反則が続いてオールブラックスXVがゴールに迫り、中央付近でPKを得ると、ショットではなくトライを狙いに行き、CTBビリー・プロクタ—がディフェンスを破ってインゴールに飛び込み、ゲームをひっくり返した。
その後、日本は粘り強いモールディフェンスでピンチを脱出したシーンもあったが、ラインアウトの失敗が何度かあって波に乗れず、35分にはスクラムで反則をとられ、相手にPGで加点された。
38分には敵陣22メートルライン付近に迫り、チャンスになりかけたが、ハンドリングエラーで相手にカウンターを許してしまい、失点。13-29で折り返しとなった。
主導権を握ったオールブラックスXVは後半開始早々、FBルーベン・ラヴがハイパントを自らキャッチして、すぐさまキックで仲間を走らせ、トライを獲得。51分(後半11分)には、ゴール前で攻撃を繰り返した黒衣軍に対し日本は粘り強く守っていたが、ショートパスをもらったCTBプロクタ—が抜け、点差を広げた。
それでも、日本は途中出場のSH流大らがエナジーをもたらし、54分、敵陣深くに入って根気よくボールをつなぎ、WTBセミシ・マシレワがトライゲッターとなった。
その2分後にはCTBライリーのブレイクスルーから始まった日本の連続攻撃で1万9586人の観客が入った会場が沸いた。
そして59分、日本はゴール前のスクラムから攻めるチャンスを得ると、FWが近場を突いたあとボールを動かし、マシレワがディフェンスを抜けてトライ。コンバージョンも決まり、27-41と点差を詰めた。
その後もアグレッシブに戦い続けた日本。しかし、チャンスを作りながらも、エラーなどで追加点獲得ならず、ラグビー大国のタレント集団を倒すことはできなかった。
日本代表は、次週からはパシフィックネーションズシリーズのテストマッチに臨み、7月22日に北海道・札幌ドームでサモア代表と対戦する。