2カ月後に開幕するラグビーワールドカップ2023フランス大会へ向け、日本代表の国内5連戦が始まった。今年最初の試合は7月8日、JAPAN XV(ジャパン・フィフティーン)という名義で東京・秩父宮ラグビー場にニュージーランド代表予備軍ともいわれるオールブラックスXVを迎え、前半は競ったものの後半に失点を重ね、6-38で敗れた。
先制したのはジャパンだった。
序盤、敵陣深くに入り、いったんボールを失ったものの、すぐに共同主将のFLリーチ マイケルらがブレイクダウンで奮闘して相手の反則を引き出し、SO松田力也がペナルティゴール(PG)を決めた。
リスタート後には、自陣深くでピンチになりかけたが、CTB中野将伍が強烈なタックルを放ち、FL福井翔大はジャッカルを決め、チームは活気づいた。
しかし15分、ジャパンに反則が続いてオールブラックスXVがゴール前のスクラムから攻めるチャンスをつかみ、SOスティーヴン・ペロフェタがディフェンスを抜けて最初のトライを決めた。19分にはPGで加点。
その後、ジャパンはPGで3点を奪い返し、徹底強化中のディフェンスで黒衣軍にプレッシャーをかけるなど互角に渡り合ったが、接点でターンオーバーされるシーンも何度かあってなかなか流れを引き寄せることができなかった。
そしてハーフタイム前、オールブラックスXVがスクラムで圧力をかけてジャパンの反則を引き出し、さらに3点を追加。ジャパンは6-11で折り返しとなった。
暑さ厳しいコンディションのなか、フィジカリティで優勢だったオールブラックスXVは後半早々にもブレイクダウンでジャパンにプレッシャーをかけ、PGで加点。
さらに55分(後半15分)、2019年のワールドカップ出場者でもあるSHブラッド・ウェバーとCTBジャック・グッドヒューの連係からチャンスを広げ、サポートで再びボールを手にしたグッドヒューがフィニッシャーとなった。
黒衣軍は62分にもスクラムから攻め、パスは乱れたが、ルーズボールを共同主将のFLビリー・ハーモンが足にかけてキープでつなぎ、WTBエテネ・ナナイ=セトゥロのトライにつながった。その後もペースを握り、67分にも5点を追加。
ジャパンは終盤、敵陣深くに入るシーンもあったが、疲労からかエラーでチャンスを逃し、結局、後半は無得点でノートライ。
試合終了間際にはオールブラックスXVの途中出場SHフォラウ・ファカタヴァが軽快なフットワークでディフェンスを切り裂いてゴールに持ち込み、大差がついた。
冬のニュージーランドから来日し、厳しい暑さのなか、本当にキツイ試合だったと振り返ったオールブラックスXVのブラッド・ウェバー主将は、「特に最初の20分間は試合の展開が速くて非常にタフな試合だった。ジャパンはシャープなチームだった。非常にスピードがあってフィジカルも強く、タフな展開を強いられた。来週は自分たちもステップアップしてやっていきたい」と語り、1週間後の再戦で連勝を狙う。
一方、ジャパンのリーチ マイケル主将は、「望んでいる結果ではなかった。悔しい」と厳しい表情でコメント。ノートライに終わったことについては、「継続アタックできなくて、ノックオンしたり、ターンオーバーされたりの繰り返し。暑いなか、キッキングゲームというプランだったが、うまくハマらなかった」と振り返る。強化中のディフェンスについては、ラインスピードを改善点とした。「この試合をしっかり反省して、来週から立て直したい」
両チームは15日、熊本・えがお健康スタジアムで再び激突する。