ラグビーリパブリック

W杯へ向けて注目の第1戦。ジャパンは福井翔大、長田智希らが試合登録メンバー入り

2023.07.06

23歳の福井翔大(写真中央)。オールブラックスXVとの初戦で7番を任された(撮影:松本かおり)


 ラグビーワールドカップ開幕まであと2カ月。大舞台を見据え、日本代表がいよいよ2023年最初の試合に臨む。7月8日に東京・秩父宮ラグビー場でJAPAN XV(ジャパン・フィフティーン)として、ニュージーランド代表予備軍のAll Blacks XV(オールブラックス・フィフティーン)と対戦する。

 今夏の試合はワールドカップへ向けたセレクションも兼ねている。
 JAPAN XVの試合登録メンバーには、5人のテストマッチ未経験者も含まれた。LOアマト・ファカタヴァ、FL福井翔大、WTBジョネ・ナイカブラが先発のチャンスを与えられ、PRシオネ・ハラシリ、CTB長田智希がベンチ入りする。

 ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは6日におこなった会見で、「彼らがこういう試合を経験してどこまでステップアップできるか見てみたい。プレッシャーのなかでどれだけプレーできるか、見てみたい。ワールドカップまで6試合ある。これからどんどん試合を重ねていくにあたり、試合はタフになってくる。ワイダートレーニングのメンバーもいるし、バランスを見ていきながら選手たちに出場機会を与えていきたい」と説明した。

キャップ対象試合ではないが、ジャパンデビューとなるリーグワン新人賞の長田智希(撮影:松本かおり)

 背番号10をつけるのは松田力也。SOのリザーブには小倉順平が入る。
 松田は昨年、けがで日本代表の活動には参加できなかったが、指揮官は「これまで合宿を見てきて、すごくよくなってきている」と評価し、一貫性を持ったプレーメイクを期待する。
 小倉については、「これから(ワールドカップスコッドの)33人にメンバーを絞っていくなかで、たくさんのポジションをカバーしていくことが重要だと思っている。彼は15番(FB)でもプレーできるが、自分たちとしては10番(SO)で見ている。ゴールキッカーもできるし、ニュージーランド相手にどれだけプレーできるか見てみたい」とコメントした。

 ジョセフ体制の日本代表では右WTBでの起用が多かった松島幸太朗は、この試合ではFBで先発する。
「自分が日本に来てから(松島は)FBとしてはあまりプレーしていないが、サントリーでFBとしてプレーしており、一貫性があると高く評価している。同時に、いまの代表チームには新しいWTBも入ってきているので、いろいろなコンビネーションを試したいと思っている」(ジョセフHC)

日本代表として78キャップ。頼もしい存在であるリーチ マイケル(撮影:松本かおり)

 ジョセフ ヘッドコーチは、今夏の試合では共同キャプテン制を採用する予定で、オールブラックスXVとの第1戦では、6番で先発するリーチ マイケルとリザーブのSH流大がキャプテンに指名された。
「最初に明確にしておきたいのは、日本代表には経験豊富な選手たちがたくさんおり、このレベルでキャプテンをできる選手がたくさんいる。そして、いまのラグビーにおいて、先発したキャプテンが最後までプレーすることはなかなか難しい。プレッシャーがかかる時間帯にキャプテンが不在になってしまうと、ほかの選手たちにプレッシャーがかかってしまう。そういった意味で、共同キャプテン制を導入した。(第1戦では)流が後半出番となったときに、フレッシュな状態で出てチームを引っ張ってもらう」
 共同キャプテン制をワールドカップでも採用するかは未定。8月5日のPNC(パシフィックネーションズカップ)最終戦までは、さまざまなリーダーを共同キャプテンとして試すことになりそうだ。

途中出場からチームにエナジーを注ぐ流大(撮影:松本かおり)

 大事な年の1試合目。ジョセフ ヘッドコーチも気合いが入る。
「プランをすべて遂行することは難しいと思うが、1試合目なのでスターティングポイントと考えている。最も重要視しているのはメンタリティの部分。相手はすごく強いチームだし、オールブラックス入りを目指す選手たちでモチベーションは高いと思う。彼らが出してくるフィジカリティに自分たちがどれだけ対応することができるか、楽しみにしている」


▼JAPAN XV 試合登録メンバー
※ 画像をクリックするとPDFで大きく表示できます。

<JAPAN XV 試合登録メンバー>
1.クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/9 caps)
2.堀越 康介(東京サントリーサンゴリアス/7 caps)
3.垣永 真之介(東京サントリーサンゴリアス/11 caps)
4.ジェームス・ムーア(浦安D-Rocks/13 caps)
5.アマト・ファカタヴァ(リコーブラックラムズ東京/―)
6.リーチ マイケル(共同主将/東芝ブレイブルーパス東京/78 caps)
7.福井 翔大(埼玉パナソニックワイルドナイツ/―)
8.ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/5 caps)
9.齋藤 直人(東京サントリーサンゴリアス/11 caps)
10.松田 力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ/29 caps)
11.セミシ・マシレワ(花園近鉄ライナーズ/2 caps)
12.中野 将伍(東京サントリーサンゴリアス/6 caps)
13.ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/10 caps)
14.ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京/―)
15.松島 幸太朗(東京サントリーサンゴリアス/47 caps)

16.堀江 翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ/68 caps)
17.シオネ・ハラシリ(横浜キヤノンイーグルス/―)
18.具 智元(コベルコ神戸スティーラーズ/21 caps)
19.ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ/12 caps)
20.姫野 和樹(トヨタヴェルブリッツ/25 caps)
21.流 大(共同主将/東京サントリーサンゴリアス/30 caps)
22.小倉 順平(横浜キヤノンイーグルス/4 caps)
23.長田 智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ/―)

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