ラグビーリパブリック

早大50-31流経大。ワセダが貫禄見せる。流経は圧倒したスクラムで「1PLAY1GAME」のイズム示す

2023.06.12

早大は8トライを奪って流経大を突き放した(撮影:菅原 淳)

「やってきたことが出せたのは大きな自信になる」

 今季から流経大監督を務める池 英基(ち・よんぎ)氏が、穏やかに試合を振り返った。

 早大側は、前週の慶應戦と大きく変わらないベスト陣容で組んだ23人。前半18分までに3トライを積み上げて21-0とするなど、取るべき時に得点を着実に連続して奪い、スコアを広げた。

 6月11日、早大・上井草グラウンドで関東大学春季交流戦が行なわれ、早大が流経大を 50-31で破った。

 1トライ5Gの15得点を挙げた早大主将の伊藤大祐は、キック合戦やパス、サポートプレーでも存在感を発揮、チームを勝利へ牽引した。SH宮尾昌典、本来はSHのWTB細矢聖樹のボールへの反応の機敏さ、FW個々の前に出るタックル、雨を感じさせないハンドリングなど、開いた点差は現時点での実力差だった。

 流経大はそれでも、この一戦に収穫を見出している。

 明確だったのは、試合を通じてセットプレーで優位に立ったこと。スクラムでは相手を押し切ってのターンオーバーまで見られた。ラインアウトにも安定感があった。前半終了前にイエローカードで一時退場者を出したのはもったいなかったが、この14人の時間間を被1トライで乗り切り、後半25分までは早大33-24流経大と奮闘した。

「やってきたことに手応えを感じている。メンタル的に、名前負けは一切していなかった」(流経大・原田季弥主将)

 トンガ出身選手らケガ人を抱えていて、ベストの布陣を組むことはなかったが、かえって、今年の方針の浸透度合いをつかむことはできた。

 流経大のチームスローガンは「1PLAY 1GAME」。練習から、選手たちにいっそうの集中力を求める。目の前のすべきことを丁寧に全力で行うことが、ゲーム全体にそのまま繋がっていくという意味合いだ。

「セットプレーは昨季ももちろん取り組んできた。それを今年は、より強くしたい」(流経大・原田主将)

 ベース作りは着実に進んでいる。

流経大の、攻撃的なゾーンでの突破は鮮やか(撮影:菅原 淳)
Exit mobile version