2019年のラグビーワールドカップ日本大会で南アフリカ代表“スプリングボックス”の優勝に大きく貢献し、世界最高のアウトサイドバックスのひとりと称賛されたチェスリン・コルビが、東京サントリーサンゴリアスに2023-24シーズンより加入することが6月8日に公式発表された。
コルビは2021年、年俸約1億5000万円とも言われるビッグマネーをオファーされ3年契約でフランスのトゥーロンに在籍していたが、2022-23シーズンのトップ14(フランス国内最高峰リーグ)を7位で終えたあとの5月末、同クラブが契約解除で合意に達したことを認め、移籍先が注目されていた。
コルビをめぐっては以前から移籍の可能性が取り沙汰され、6年過ごしたフランス(トゥールーズ時代を含む)を去って日本に行くのではないかと言われていたが、今年はじめにはトゥーロンに残留することを示唆し、憶測を鎮めていた。
だが今回、トゥーロンの財政的制約もあってリリースされることになり、母国の南アフリカでは古巣のストーマーズに復帰することを期待する声もあったが、フランスメディアの情報として、サンゴリアス入りが噂されていた。ちなみに南アでは、ストーマーズはコルビを獲得するために第三者の協力を得て1500万ランド(約1億円)を提示したとも言われていた。
身長171センチ、体重74キロと小柄だが、セブンズ(7人制ラグビー)でも鍛えた鋭いステップと爆発的なスピードの持ち主で、2019年のワールドカップでは決勝でもトライを決めるなど活躍したコルビ。同年のワールドラグビー最優秀選手賞にノミネートされた、世界で最もエキサイティングなアウトサイドバックスのひとりだ。今季トゥーロンでは、足首の捻挫で1カ月離脱したこともあったが、18試合で6トライを記録。トップ14のプレーオフ進出は逃したものの、欧州チャレンジカップ優勝に貢献した。
現在29歳。スプリングボックスではこれまで23キャップを重ね、3カ月後に迫った今年のワールドカップでも活躍が期待されている。
サンゴリアスに合流するのはワールドカップ後になる予定。
コルビは、「私のキャリアの中での新しいチャプターであり、新しいチャレンジとなります。このような機会を作っていただいた全ての方々に感謝を申し上げます。サントリーは素晴らしい歴史を持っているチームです。この先そのようなチームと新しい思い出が作れることを楽しみにしています。ファンの皆さん、皆さんが楽しめるようなパフォーマンスをお見せしたいと思っています。皆さんにお会いできるのを楽しみにしています」とコメントした。