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豪代表サム・ケレビら選手13人が東京サンゴリアス退団。元日本代表の小澤直輝は現役引退。

2023.05.26

大けがから復活してプレーオフで奮闘したサム・ケレビ(撮影:松本かおり)


 2019年から東京サントリーサンゴリアスの一員として日本国内リーグで活躍してきたオーストラリア代表のサム・ケレビ(29歳)が、同クラブを退団することが5月26日に発表された。
 リーグワン2022ではサンゴリアスのファイナル進出に貢献し、ベストフィフティーンにも選出された世界最高峰のCTB。7人制ラグビー(セブンズ)のオーストラリア代表として東京オリンピックにも出場したことがあるハードワーカーのケレビは、昨年8月、別のセブンズ国際大会で膝に重傷を負い、その影響もあって、今季リーグワンではプレーオフの2試合に出場しただけだった。
 プレーオフでは復活を印象づけ、現在はバーバリアンズに招待されイングランドに滞在中。今年のワールドカップスコッド入りも有力視されている。

 サンゴリアス退団となったケレビは、「サントリーで過ごす時間が終わってしまったと思うと、胸がいっぱいになります。とても充実した日々を過ごすことができ、大切な思い出ばかりです。試合に勝つことはもちろん嬉しいですが、チームメイトとの思い出は、一生忘れることができないものです。たくさんの良い思い出と、かけがえのない友情を築くことができ、感謝しています。自分、そして何よりもチームへのサポート、本当にありがとうございました。皆さんのサポート、そしてチームへの愛は我々プレーヤーにとって大きなエネルギー源です。自分も本当に勇気が出ました。本当にありがとうございました」とコメントした。

 そのほか12人の選手がサンゴリアス退団となり、12シーズン在籍してリーグワン2022ではベストタックラー賞に輝くなど活躍し、日本代表として4キャップを持つFL/NO8小澤直輝(34歳)は現役引退を決めた。
 ひたむきに体を張るいぶし銀だった小澤は、「2011年に入部してから今日まで、本当にたくさんの応援をありがとうございました。サンゴリアスは私にとって憧れで、そんなチームでプレーできたこの12年は夢のような時間でした。私は引退しますが、残った選手たちがサンゴリアスをより魅力的な、『強く、愛されるチーム』にしてくれると信じています。これからはファンの皆さまと一緒に『SUNGOLIATH PRIDE』をもった選手たちを応援したいと思います。ありがとうございました!」と別れの言葉を述べた。

常にハードワークで若手の手本となった小澤直輝(撮影:松本かおり)

 日本代表経験者ではほかにも、7季在籍した29歳のPR須藤元樹とHO中村駿太がサンゴリアスを離れる。
 須藤は「どんな時でもスタンドを見れば応援してくださる皆様がいる。この状況に選手は本当に助けられましたし、皆様のために勝つぞという気持ちでプレーすることができました。僕自身、チームは離れますがサンゴリアスのことはどんなことがあっても大好きです。これは絶対に変わりません」とコメント。
 中村は「サンゴリアスでプレーできたことは本当に僕にとって誇りです。そして人として、ラグビー選手として大きく成長させていただきました。大好きなサンゴリアスを離れることは寂しいですが、新天地でこれからさらに成長した姿を見せたいと思います。またこれからもサンゴリアスプライドを胸に秘め、精進していきたいと思います」と述べ、これまでの応援、サポートに感謝した。

 そして、今年1月にボルドー・ベグル(フランス)へ来季移籍することを発表していた日本代表のFL/NO8テビタ・タタフ(27歳/4季在籍)は、「私が言えることは、『Thank you Suntory! 多くのサポートをありがとうございました!』。このチームを退団する日が来るとは思ってもいませんでしたが、フランスへ行くことは、自分のラグビーの向上のため、また、自分のキャリアのための大きな機会です。優勝を目指してプレーしてきたこの数年間、優勝できずに去るのはとても悲しいです。ここで学んだすべてのことを持って行き、ベストを尽くします」と、育ててくれた古巣へさらなる成長を誓う。

 インターナショナルプレーヤーではもうひとり、コベルコ神戸スティーラーズを経て2022-23シーズンにサンゴリアスに加入していた元ニュージーランド代表のSOアーロン・クルーデンも退団が決定。国際経験も豊富な34歳は、「今シーズン、サントリーでプレーできたことをとてもうれしく思います。チームみんなのハードワーク、一生懸命に頑張る姿は、トップクラスだと思います。素晴らしい人たち、素晴らしい姿勢、素晴らしいチームです! チームのさらなる成功を願っています!」とコメントした。

アグレッシブアタッキングラグビーを体現したテビタ・リー(撮影:松本かおり)

 そして、4シーズン在籍し、2021年のトップリーグ(リーグワンの前身)で最多タイの10トライを挙げ、ベストフィフティーンにも選出されたWTBテビタ・リー(28歳)も新たな場所へ行く。
「目標に届かず、非常にタフなシーズンとなりましたが、チームのファイティングスピリットを、少しでも皆さんに感じていただくことができれば嬉しく思います。皆さんの応援が、いつも我々プレーヤーの背中を押してくれました。これまで応援してくださり、心から感謝しています。皆さんの温かいサポートがあったからこそ、サントリーで充実した4年間を過ごすことができました。次の挑戦を心待ちにするとともに、サンゴリアスの輝かしい未来を願っています」

 そして、10季在籍したFB塚本健太(32歳)も小澤と同じく、競技を終える。
「今シーズンでラグビー人生を引退することになりました。2013年に入団してから皆様の熱いご声援があったからこそ10年間もラグビーを続けることができました。本当にありがとうございました」

 また、東芝ブレイブルーパスを経て2017年からサンゴリアスの一員だったSO田村煕も退団が決定。司令塔を務めた29歳もこれまでのサポートに感謝し、「私にとってこのクラブは特別であり、そう思えたのも毎シーズン最高のファンの方々のサポートがあったからこそです。またぜひ会場でお会いできる日を楽しみにしています」と述べた。

 さらに、元ジュニア・ジャパンのPR祝原涼介(26歳/4季在籍)も退団することになり、「これから、社員選手としてではなく、プロラグビー選手としてのラグビーキャリアをスタートします。サントリーで学んだ『やってみなはれ』の精神を忘れず、何事にもチャレンジしていきます」と前を向く。

 そのほか、LOトム・サベッジ(34歳/4季在籍)、FL/NO8のトム・サンダース(29歳/2季在籍)とブレイク・ギブソン(28歳/1季在籍)もサンゴリアス退団となった。

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