ラグビーワールドカップイヤーの2023年、国内最高峰のリーグワンで新人賞に選ばれた長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)が、日本代表に初選出された。今秋、フランスで開催される大舞台に立つチャンスが出てきた。リーグワン決勝ではWTBに入ったが、本来のポジションであるCTBでの選出となった。もちろん、両方カバーできるのは強みとなる。
注目のひとりとなった23歳の長田は、「目標にしてきたところなので、嬉しいという気持ちもあるんですけど、それより、やるしかないというか、頑張らないといけないなという気持ちがいまは一番大きいです」と心境を語った。
「日本代表が目指すラグビーというものをしっかり理解して、自分がどういうふうにチームに貢献できるのかというのをまず考えて、合宿でそれを示していけたらなと考えています」
合宿は6月12日からスタート。夏には国内で強化試合やテストマッチも重ね、ワールドカップスコッドは33人に絞られる。
長田がラグビーを始めたのは小学4年のとき。東海大仰星高校、早稲田大学と名門校でキャプテンを務め、花園でも国立でも頂点に立ち、学生の頃から名の知れた存在だった。日本代表を明確に目指そうと思ったのは、シニアになってリーグワンでプレーするようになってからだという。国内トップレベルやワールドクラスの選手たちと一緒にプレーし、戦うなかで、自信が生まれ、日本代表は自分の手が届くところにあると感じた。
これまで、U20日本代表やジュニア・ジャパンとして国際大会の経験はあったが、海外選手と比べ、フィジカルレベルやスピードの部分で差があると感じていた。しかし、タフなリーグワンで14試合に出場し、いままで以上に戦う自信をつけた。
長田は自分の強みについて、「それぞれのチームで、自分の役割をしっかり理解して、求められていることに対して応えていく。そのなかで自分の色も出しつつ、チームにとって自分がどういう貢献ができるのかというのを大切にしてますし、そういうところが強みなのかなと感じています」と語る。
より具体的には、「アタックだと、ボールキャリーの部分。フィジカルは自信ありますし、ボールをもらう前の動きで相手をずらして前に出ていく部分は通用するかなと自信はあります」。身長179センチ、体重90キロと決して大柄ではないが、CTBとして前に出るために、どういうプレーが必要か、少年時代からよく考えていたという。誰かを手本にしたということではなく、自分なりに考えた。「中学くらいからそこを磨いてましたね」
ディフェンス面は、相手のアタックをしっかり予測して、ディフェンスの穴を埋めていくことを強みにしていきたいと考えている。
CTBは、攻守両面でのフィジカルの強さや、前へ出るスキル、キックやパスなど多くを求められるが、日本代表合宿でいままで以上に磨き、先輩たちからも学んで選手として成長したい。そしてチームに貢献したい。
「中村亮土さんとかみたいに、フィジカルで戦えるというところを見せるのは大事かなと感じています。海外の選手たちと戦うなかで、フィジカルバトルは避けられない。そこで戦えるというのを見せれば、(ワールドカップの)最終メンバーにからめるかなと考えています」
リーグワンの戦いが終わったばかりだが、新進気鋭の長田はエナジーに満ちている。
日本代表チームに合流するまで、筋力トレーニングやフィットネスをしっかりやって合宿に臨むつもりだ。