7人制ラグビー(セブンズ)の強豪国らが約半年間にわたって競ってきた「HSBC ワールドラグビーセブンズシリーズ 2023」の男子最終・11ラウンド、ロンドン大会が現地時間5月20、21日におこなわれ、コアチームから降格し“招待チーム”として参加した男子セブンズ日本代表は、5戦全敗に終わった。
大会初日、プールステージ(B組)の初戦で今季総合ランキング2位のアルゼンチンに挑んだ日本は、石田大河が快足を飛ばして2トライを挙げ、津岡翔太郎が猛追して相手のトライを阻止した好プレーもあり、前半を同点で折り返したが、後半は圧倒され、12-43で敗れた。
第2戦はアイルランドと対戦し、7-40と完敗。石田吉平が軽快なフットワークからのブレイクスルーでトゥイッケナムスタジアムを沸かせ、ティモ・スフィアがサポートしてトライを奪うなど序盤は競ったが、フィジカル強くテンポが速いアイルランドに力の差を見せつけられた。
そして、プールB最終戦は優勝争いの常連であるフィジーと対戦し、7-54で敗れた。前半3分に薬師寺晃が切り込み、サポートして、オフロードパスをもらった宮上廉がゴールへ駆け抜けたシーンもあったが、世界最高峰のスキルを持つフィジーの選手たちは個人技でも日本のディフェンスを何度も破り、大差がついた。
日本は、大会最終日(21日)の順位決定戦で9位以下のトーナメントに臨むこととなり、南アフリカと対戦し、7-29。相手の南アは、今季不調が続いてパリ2024オリンピックの出場権を今回のワールドシリーズで獲得することはできなかったが、この試合は序盤に連続トライで主導権を握った。日本は、石田大河がチェンジ・オブ・ペースからの爆発力とキック&チェイスでトライを奪い返し、5点差に詰めたが、その後、危険なプレーをした選手が一時退出となって数的不利の時間帯に失点し、後半はほとんど自陣で劣勢となり、流れを変えることはできなかった。
そして、最後の11位・12位決定戦ではスペインと対戦し、12-28で敗れた。日本は前半5分、パワフルなスフィアがタックラーをなぎ倒してゲインし、サポートした吉澤太一から石田大河につないで先制。9点ビハインドで折り返した後半早々には、スフィアがフィジカリティを活かしてディフェンスを破り、2点差に詰めたが、自分たちのディフェンスが甘かったシーンもあって突き放され、ラストゲームを勝利で終えることができなかった。
ロンドン大会で優勝したのはアルゼンチン。一週間前のトゥールーズ大会(第10ラウンド)で今季シリーズ総合チャンピオンになることが確定したニュージーランドが準決勝で敗れ、そのニュージーランドを倒したフィジーと決勝を戦い、35-14と快勝した。アルゼンチンは1月のハミルトン大会、3月のバンクーバー大会に続き、今季3つ目の金メダルとなった。
また、今季シリーズの上位チームにはパリ2024オリンピックの出場権が与えられることになっていて、すでに切符を獲得していたニュージーランド、アルゼンチン、フィジー、フランス(開催国)に次いで5位に入ったオーストラリアが歓喜となった。ラスト枠を争ったサモアはロンドン大会で3位になったが、各大会の成績に基づいて付与されるポイントの合計で、オーストラリアに1ポイントおよばなかった。
ワールドシリーズでパリオリンピック出場を決められなかった国は、各地域の予選に参加して切符獲得を目指す。
そして、ロンドン大会ではコアチーム残留・昇降格をかけたプレーオフもおこなわれ、カナダがコアステータスをキープした。このプレーオフには、今季総合12位だったウルグアイ、13位のケニア、14位のカナダ、そしてチャレンジャーシリーズで優勝したトンガが参加。総当たり戦でトンガ以外の3チームが2勝1敗で並び、得失点差でカナダとケニアが決定戦進出となり、12-7でカナダがコアチーム残留を決めた。
なお、今季コアチームのなかで最下位だった日本は自動降格となっていた。