7人制ラグビー(セブンズ)の女子日本代表が、強豪国と競う「HSBC ワールドラグビーセブンズシリーズ」で、チーム史上最高成績となるトップ5入りを果たした。
約半年間にわたっておこなわれてきた2023年シリーズは、5月12~14日に開催されたフランス・トゥールーズ大会が女子の最終ラウンドとなり、女子セブンズ日本代表(愛称:サクラセブンズ)は今季3度目の8強入り。カップ準々決勝ではニュージーランドに敗れたものの、5位~8位のトーナメントを勝ち進み、最後はがまんのハードワークと堅守でアイルランドを下し、5位となった。
女子セブンズ日本代表のワールドシリーズ過去最高位は、今年1月に記録したニュージーランド・ハミルトン大会での6位だったが、それを上回る成績で、来年のパリオリンピックへ向けて着実に成長していることを証明した。
今シーズンの全7ラウンドを戦い終えた女子セブンズ日本代表は、シリーズ総合順位でもチーム史上最高の8位となった(これまでは総合11位が最高)。
トゥールーズ大会では、初日2連敗スタートとなった女子セブンズ日本代表だが、大会2日目(13日)におこなわれたプールCの最終戦でスペインを33-5で下して同組3位となり、プールA3位のカナダを得失点差で上回ったため8番手で準々決勝進出が決定。
準々決勝では、今大会でも優勝することとなるランキング1位のニュージーランドに挑み、7-29で敗れたものの、日本は後半6分、三枝千晃が相手のプレッシャーをかわし、粘って突破口を開き、オフロードパスをもらった原わか花が自陣から約60メートル走りきり、会場を沸かせた。
大会最終日(14日)、5位以下のトーナメントに臨んだ日本はまず、プールステージで惜敗していたイギリスと再戦することとなり、14-5でリベンジした。
相手に先制を許したものの、前半5分、大竹風美子が粘ってチャンスメイクし、オフロードパスをもらった大谷芽生がハーフウェイからゴールへ走りきり、コンバージョンも成功で逆転した。
後半はしばらくがまんの攻防が続き、耐えた日本は、終盤の6分、須田倫代のビッグゲインでチャンスとなり、アタックを継続して原がフィニッシュし、競り勝った。
そして、5位決定戦ではアイルランドと対戦し、14-0と快勝。
日本は序盤、相手にイエローカードが出て数的有利を活かし、根気よくつないで須田が先制した。
7-0で迎えた後半、堅い守りでアイルランドにプレッシャーをかけ続け、2分、キャプテンの平野優芽が突破してサポートの中村知春につなぎ、追加点を獲得した。
運動量で上回った日本は、最後までハードワークと堅守を貫き、アイルランドにスコアを許さず、新たな歴史をつくった。
女子セブンズ日本代表の鈴木貴士ヘッドコーチは、「大変嬉しく思いますし、何よりも最後まで戦い続けてくれた選手、スタッフたちに感謝したいと思います。昨年のドバイ大会から始まり、全7大会で世界の強豪国と戦うことでサクラセブンズは多くのことを経験し成長できたと感じています。現状に満足することなく次の目標に向かって走り続けたいと思います」とコメント。
キャプテンの平野優芽は、「ドバイから始まりトゥールーズまで関わってくれた全ての選手・スタッフの力を、最後に集大成として出すことができ、とても充実したシリーズでした。この結果に満足することなく、パリ五輪の出場権獲得に向けて引き続き頑張っていきます」とさらなる成長を誓った。