レギュラーシーズンで、すでに2回戦っている。
1回目は18-31で、2回目は24-39。今季、東京サントリーサンゴリアスはクボタスピアーズ船橋・東京ベイに勝っていない。
同カードが5月14日、リーグワンのプレーオフトーナメントの準決勝としておこなわれる。
スピアーズえどりくフィールドで4月22日、リーグ戦最終戦で戦ってから3週間後の再戦だ。
サンゴリアスの共同主将を務めるSH齋藤直人は、「お互いに手の内は分かっている」と話す。
ここまでの2戦は関係ない。「イーブン」のマインドで決戦に挑む。
スピアーズは大柄な選手が多く、フィジカリティの優位性に自信を持っている。しかし、そんな相手に勝つイメージはある。
「ビッグパックをどう後退させるか。キックとアタックの両方を使い、バランスよく攻めたい」と話す。
コンビを組むSOアーロン・クルーデンのゲームコントロール能力を信頼する。
「一緒になって、チームを勝ちに導くゲームコントロールをします」
アグレッシブさを失うことなく、着実にスコアを重ねていく。
直近の対戦、4月22日の試合で齋藤は、積極的にタックルし、体を張り続けた。
相手にカードが出て、数的優位な状況に立ちながら敗れる展開は反省も、その戦いの中で次戦への光もあった。
スピアーズ戦直後、「開幕戦(今季1回目の対戦)のときより、自分たちのスタイルに自信を持って戦えました。次、どう戦えばいいか分かった気がします」と語っていた。
前半35分にWTB尾﨑泰雅が奪ったトライには、自分たちがどう戦うべきか詰まっていた。
スコアは0-10。テリトリーはスピアーズ=66パーセント、サンゴリアス=34パーセントという前半の最後に、相手が攻め込んできたところを全員で守り、ターンオーバーから攻め、フェーズを重ねて攻め切った。
「我慢して守り、相手がエナジーを使ったあとに、自分たちのアタックで取ったトライでした」
前半、自陣での戦いが長かった。
しかし40分が経ったところでスコアは5-10。ピッチの上では、相手の足が鈍ってきたように感じた。
後半16分、18分にトライを重ねて19-15と逆転。21分には24-15と差を広げる展開は、その体感が間違いでなかった証拠だ。
その後、15人対14人の状況でトライを許し、さらにスコアを重ねられたことについては、「ホッとしたつもりはないが、そうでなければ、ああいうことは起こらない」と気を引き締めた。
「もう一回戦う相手。お互い、戦い方を変えることはないでしょう。その次に進むため、(準決勝では)必ず勝ちます」
ボールを持ってスペースを攻める。自分たちのスタイルを出せたら、どんな相手にもいいラグビーができる自信がある。
決戦の2日前に開かれた会見では、「相手は(防御の)ラインスピードが速い。両サイドにアタックオプションを持ちながらプレーする」と勝利へのビジョンを口にした。
サンゴリアスに入ってから、まだ頂点に立ったことがない。
まずはファイナリストになるため、オレンジの壁を突破する。