ラグビーリパブリック

スピアーズのビッグパックを後退させる。齋藤直人(東京サンゴリアス共同主将)

2023.05.14

3番で先発する細木康太郎に「強みはスクラム。思い切りプレーしてほしい」とエールを送る。(撮影/松本かおり)



 レギュラーシーズンで、すでに2回戦っている。
 1回目は18-31で、2回目は24-39。今季、東京サントリーサンゴリアスはクボタスピアーズ船橋・東京ベイに勝っていない。

 同カードが5月14日、リーグワンのプレーオフトーナメントの準決勝としておこなわれる。
 スピアーズえどりくフィールドで4月22日、リーグ戦最終戦で戦ってから3週間後の再戦だ。

 サンゴリアスの共同主将を務めるSH齋藤直人は、「お互いに手の内は分かっている」と話す。
 ここまでの2戦は関係ない。「イーブン」のマインドで決戦に挑む。

 スピアーズは大柄な選手が多く、フィジカリティの優位性に自信を持っている。しかし、そんな相手に勝つイメージはある。
「ビッグパックをどう後退させるか。キックとアタックの両方を使い、バランスよく攻めたい」と話す。

 コンビを組むSOアーロン・クルーデンのゲームコントロール能力を信頼する。
「一緒になって、チームを勝ちに導くゲームコントロールをします」
 アグレッシブさを失うことなく、着実にスコアを重ねていく。

 直近の対戦、4月22日の試合で齋藤は、積極的にタックルし、体を張り続けた。
 相手にカードが出て、数的優位な状況に立ちながら敗れる展開は反省も、その戦いの中で次戦への光もあった。

 スピアーズ戦直後、「開幕戦(今季1回目の対戦)のときより、自分たちのスタイルに自信を持って戦えました。次、どう戦えばいいか分かった気がします」と語っていた。
 前半35分にWTB尾﨑泰雅が奪ったトライには、自分たちがどう戦うべきか詰まっていた。

 スコアは0-10。テリトリーはスピアーズ=66パーセント、サンゴリアス=34パーセントという前半の最後に、相手が攻め込んできたところを全員で守り、ターンオーバーから攻め、フェーズを重ねて攻め切った。
「我慢して守り、相手がエナジーを使ったあとに、自分たちのアタックで取ったトライでした」

 前半、自陣での戦いが長かった。
 しかし40分が経ったところでスコアは5-10。ピッチの上では、相手の足が鈍ってきたように感じた。
 後半16分、18分にトライを重ねて19-15と逆転。21分には24-15と差を広げる展開は、その体感が間違いでなかった証拠だ。

 その後、15人対14人の状況でトライを許し、さらにスコアを重ねられたことについては、「ホッとしたつもりはないが、そうでなければ、ああいうことは起こらない」と気を引き締めた。

「もう一回戦う相手。お互い、戦い方を変えることはないでしょう。その次に進むため、(準決勝では)必ず勝ちます」

 ボールを持ってスペースを攻める。自分たちのスタイルを出せたら、どんな相手にもいいラグビーができる自信がある。

 決戦の2日前に開かれた会見では、「相手は(防御の)ラインスピードが速い。両サイドにアタックオプションを持ちながらプレーする」と勝利へのビジョンを口にした。

 サンゴリアスに入ってから、まだ頂点に立ったことがない。
 まずはファイナリストになるため、オレンジの壁を突破する。


Exit mobile version