今季リーグワンのディビジョン1で最下位と苦しんだ花園近鉄ライナーズだが、浦安D-Rocks(ディビジョン2優勝)との入替戦に連勝し、国内最高峰グループ残留を決めた。第1戦を22点差で制し優位だったライナーズは、5月13日に地元の東大阪市花園ラグビー場で最終の第2戦を戦い、56-21と圧倒した。
ライナーズは前半5分、NO8ワイマナ・カパが切り込み、オフロードパスをもらったWTBセミシ・マシレワも鮮やかなハンドリングでつなぎ、LOサナイラ・ワクァが右外を抜けインゴールに持ち込み先制した。
10分にはCTBシオサイア・フィフィタが鋭いフットワークでディフェンスを切り裂き、追加点。
その後、ペナルティゴールで加点し、25分には身長2メートル超で走力もあるワクァがタックラーをかわして左外をゲインし、サポート選手がつなぎ、SHウィル・ゲニアがフィニッシャーとなって20-0とした。
31分にD-RocksがNO8リアム・ギルのブレイクからチャンスとなり、つないでFB安田卓平がインゴールに持ち込み7点を奪い返したが、ライナーズはその3分後、再び敵陣深くに入ってアドバンテージを得ると、SOクウェイド・クーパーが高く蹴り上げ、ハイボールに強いマシレワがトライを決め、ディビジョン2王者を突き放した。
37分にはハイボールをめぐる空中戦で、ゲニアがオーストラリア代表で一緒にプレーしたD-Rocks13番のイズラエル・フォラウと激しく競り、トライを許さなかった好ファイトもあった。そしてライナーズは、現役引退を表明していたHO樫本敦らが奮闘してスクラムでも流れをよくした。
昇格をあきらめないD-Rocksは、前半ラストにすばやいパス回しからWTB石井魁が左外を抜けてインゴールに持ち込み、後半早々には、ハイボール攻撃に対してライナーズの選手に不当なプレーがあったためペナルティトライを獲得し、6点差に詰めた。
しかし、D-Rocksは58分(後半18分)に反則を犯した選手にイエローカード、61分にはHOフランコ・マレーが危険なプレーでレッドカードを提示され、その前にリザーブHOの三浦嶺は負傷交替していたためスクラムはアンコンテストとなり、もうひとり退出しなければならず一時12人になるなど苦しくなった。
圧倒的に有利となったライナーズはその後、5トライを挙げ、入替戦2連勝でディビジョン1残留を決めた。