ベテランの域に入る34歳が、驚きの記録を作った。
グリーンロケッツ東葛のバックスリーで主将のレメキ ロマノ ラヴァが、リーグ戦全16試合に先発。リーグ創設後初となる、全試合フル出場を達成した。合計時間にして1280分だ。
リーグワン初年度の昨季は、横浜キヤノンイーグルスの梶村祐介が1148分でトップ。全15試合(1試合は中止)に先発し、フル出場は8試合だった。
選手層が決して厚いとは言えないチーム(グリーンロケッツは16チーム中15位)だからこそ成し得たという見方もできるが、レメキは個人スタッツでも際立った成績を残す。
ディフェンス突破1位(83回)、ゲインメーター2位(1481㍍)、ボールキャリー3位(160回)、オフロードパス3位(28回)と、アタックにおけるほぼすべての項目でトップ3入り。
活躍の理由を「今シーズンから食事を全部変えて調子が良くなった」と話す。
「去年は体重が98㌔まで増えて体が重かった。走れはするけど、80分もたない。何か変えなければいけないなと。でもお酒は絶対辞められないから(笑)、肉を食べないで魚だけ(の食生活)に変えた。オフシーズンに試してみたら、5㌔くらい痩せて脂肪も減って調子が良くなって。そのまま継続してます」
リーグ戦最終節の花園近鉄ライナーズ戦(4月22日)では、ディフェンス、正確なキックオフでも勝利に貢献する。
後半17分には8点あったリードを一度ひっくり返されるも、反撃の起点はレメキのキックオフだった。味方が相手にプレッシャーをかけやすい場所に、絶妙な対空時間で落とす。相手の落球を何度も誘い、まもなく逆転。最終スコアを43-26とした。
昨季全敗のチームが今季3勝目を手にして、昨季と同カードとなった三重ホンダヒートとの入替戦に臨む。昨季は1勝1敗。勝ち点差で残留を決めた。
「今日は入替戦に向けての勢いをつけることが一番大事だった」
同じく残留争いに臨む、ライナーズへもエールを送った。
「見ているお客さんもそうだったと思うけど、試合は楽しかった。近鉄もNECもいいアタックがたくさんできた。最後の20分までどちらが勝つか全然分からなかったし、入替戦に向けてどちらも勢いに乗っていければ、ディビジョン1に残れると思う。頑張ってほしいね」