好天に恵まれた。
そよ風が気持ちいい。サニックスワールドラグビーユース交流大会2023の試合が4月28日から始まった。
福岡・宗像市のグローバルアリーナには世界のあちこちからラグビーを愛する少年、少女がやってきて、ともにボールを追った。
男子は15人制で試合をおこない、5月5日まで大会は続く。女子は7人制で、29日にファイナルがおこなわれる。
2000年から歴史を積み重ねてきた大会は、コロナ禍の影響を受けて2020年、2021年は中止となった。海外勢が参戦するのは4年ぶりのことだ。
女子のセブンズは2013年に始まった。2020年、2021年は男子同様中止となっていた。
大会運営の中心となっている渡邊敏行さんは、久しぶりの海外勢受け入れに「新鮮です」と笑顔を見せる。
福岡空港で来日したチームを待ち、宗像へ案内する。
嬉しそうな若者たちの顔を見て「高揚感を感じました」と言う。
海外において、この大会のステータスは高い。例えばニュージーランドでは、国内高校大会のチャンピオンが日本行きの切符を得ることになっている。
サニックス、宗像の名を知る者たちは多い。
3年間の空白の間も各国の高校生たちは、再参戦の日を心待ちにしていたようだ。
今回は南アフリカ勢の環境が整わず来日を断念するも、ニュージーランドからハミルトンボーイズハイスクールとネイピアボーイズハイスクールの2校がやってきた。
それぞれ大会初日には、佐賀工(24-14)、慶應義塾(29-19)から勝利を挙げた。
日本からの各参加校も、久々の国際大会に喜びの表情を見せていた。
ソウルナショナルユニバーシティーハイスクールと戦い、103-0と圧勝した東福岡の藤田雄一郎監督は、「試合自体もそうですが、お互いの交流が財産になる」と言う。
もちろんピッチ上の体感も、チームと選手の成長を促す。同監督は、「この大会で勝負をすることは、日本のチーム、日本の高校ラグビーの発展につながる」と感じている。
「日本のチーム相手では経験できないことがある。チャンスと思った時、相手はすぐに上がってきている。タックルのあとのワンプレー。自由さや判断など、そこの違いは、海外のチームならではだと思います」
大会創設時から出場し続けている同校。藤田監督は、「(大会には)勝ちに来ています」と言い切る。
「日本勢は(海外チーム参加時の大会では)優勝したことがありません。初回大会から参加してきたチームの責任を果たしたいですね」
NO8高比良恭介主将は、全国高校選抜大会で出た課題を、この大会でクリアにしたいという。
「選抜ではコミュニケーションが足りなかった。なので、大会後に福岡に戻ってからは、練習時も無言の時間を無くそうと言ってきました」
この大会で戦った者同士、「将来ワールドカップで戦えたら楽しいですね」と希望にあふれた表情を見せた。
「海外のチームとできるだけ多く試合をしたい。そのためには、プール戦を1位で通過しないといけない」と言葉に力を込めた。