ラグビーの韓国国内リーグである「2023 コリアスーパーラグビーリーグ」は、1次大会の第2節が4月1日に慶尚北道慶山ソンファラグビー場でおこなわれた。
社会人の1試合目、現代グロービス×OK金融戦。浦安D-Rocksから現代に3月20日から4月8日まで期限付き加入のWTB石川貴大が11番で先発した。同じく浦安から派遣されたLO佐藤大樹は3月29日から4月1日までの参加で、この日はリザーブに入り20番をつけた。
現代が前半7分、SOナム・ユンジェの先制トライとコンバージョンで7-0とした。新興チームのOKは、前節も前半は韓国電力相手に速いディフェンスなどで対抗できていた。12分、ボールをつなぎ継続すると、ヤクルトレビンズから加入している左PR谷峻輔がポスト左へ同点につながるトライを決めた。
その後は、現代が元日野レッドドルフィンズWTB鄭演植(チョン・ヨンシク)のトライでリードする。35分には敵陣ゴール前5メートルの右ラインアウトモールで押し込むと、OKがコラプシング。レフリーを務めた日本ラグビー協会から派遣の古瀬健樹氏が迷わずペナルティトライを宣告し、21-10で前半を終えた。
後半は現代が8トライを奪った。トライラッシュの幕開けは石川。敵陣に入り、CTB李ジンギュ、CTBムン・ジョンホとつながりパスが石川へ。OKディフェンス網を破り、左中間インゴールから中央へまわりファイブポインターとなった。石川は第1節のポスコ建設戦で前半21分に挙げた逆転トライに続き、連続トライを韓国ラグビーの歴史に刻んだ。この日は18分にもゴール前ラックから持ち出して2トライ目。この時点で43-10と試合を決めた。石川は後半20分にピッチをあとにした。LO佐藤は後半から4番に入り韓国デビュー。
試合はその後、WTB鄭の3トライ目などで続き、現代が67-10で大勝した。現代はこれで1勝1敗。
石川は、日本では出場機会が少なくプレータイムを求めて提携先の韓国へやってきた。現代を通じて「現代は皆さん優しく接してくださり、いい環境で生活をしています。韓国とのラグビースタイルの違いに学びも多くあります。こちらで学んだことをいかして日本で出場できるように頑張りたい。このような機会を与えてくださった現代グロービスはじめ関係者の皆様に感謝申し上げます」とコメントを寄せた。
浦安からはNO8ブロディ・マカスケルが4月6日から9日まで現代へ加わり、1次大会最終日(4月8日)、韓国電力戦の出場を目指す。
OKは2戦連続で後半、得点なしだ。谷は後半19分まで出場。ヤクルトから移籍のNO8ヤヌ・ベンターはメンバー外だった。
第2試合は韓国電力が後半31分に逆転し、32-27でポスコ建設を制した。
ポスコ先発には、トップキュウシュウリーグのルリーロ福岡から期限付きで加入したコーチ兼任の田代宙士(元・宗像サニックスブルース)が司令塔SO、12番には金崎廉大朗(元・三菱重工相模原ダイナボアーズ)が名を連ねた。
このふたりが入るとポスコ・バックスラインのアタックにリズムが生まれる。サニックス時代もおなじみだった田代のトリッキーな動きは、敵だけでなく味方も惑わしていた。田代が前半26分すぎにキャリアーとしてハーフラインを越えて韓国電力陣へ。しかし、ブレイクダウンで足を痛めてピッチを去った。このときの韓国電力の反則でポスコFBユ・ジェヒョクがペナルティゴールを成功し、17-12とポスコが逆転していた。それでも、前半は韓国電力が38分にWTBチャン・ジョンミンがファイブポインターとなり、17-19でリードした。後半はポスコが20分までに10点を加え、27-19とするも、韓国電力が逆転で終えた。