初戦の京都成章戦から快勝を続ける桐蔭学園が、また相手を圧倒した。
全国高校選抜大会の準決勝が3月29日におこなわれ、桐蔭学園が國學院栃木を51-7と大差で破った。
桐蔭の戦い方はあくまでシンプルだ。攻守に体を当て続け、前進する。それを可能にするパワフルなランナーも多い。
「今年は特にフロントローが頑張ってくれています。裏のサインプレーを使うのはやめて、とりあえず当てていこうと」(藤原秀之監督)
先制トライは3分だった。自陣からの連続攻撃でじわりじわりとゲインラインを切る。途中、SO萩井耀司の裏へのキックにWTB田中健想が反応、敵陣22㍍ライン内に侵入した。最後はCTB高崎大我がインゴールに入った。
6分、8分と2本のPGを外した後は、50/22キックを決められ相手にチャンスを与える時間帯もあったが、動じなかった。ラインアウトでスチールを決め、ブレイクダウンで圧力をかけ続けたことで失点を0に抑える。
再び攻撃に転じた26分にはWTB田中、PR前田麟太朗のゲインからFL牧錬太郎がトライ。32分にもSO萩井のラインブレイクから、この日大活躍のWTB田中がゴールラインを越えた。19-0で前半を終えた。
後半の立ち上がりには、さらにトライをたたみかける。両PRが躍動した。
3分、右PRの前田が味方のサポートを得ながらロングゲイン、左PRの井吹勇吾がオフロードでつなぎ、LO西野誠一朗がグラウンディング。
続く5分、8分にはノーホイッスルトライを奪った。両PRの前田と井吹の力強いゲインが起点となった。40-0とし、大勢を決めた。
國學院栃木は試合終了間際に、ピック&ゴーからPR斉藤丈太郎がねじ込むのが精一杯。関東新人大会決勝の0-47に続き、力の差を見せつけられた。
勝った桐蔭の藤原監督は、「去年は何もできなかったので、こうして試合ができることが楽しい」。昨季は県予選決勝で東海大相模に破れ、花園を逃していた。
「(決勝で対戦する)ヒガシさんとは去年、夏合宿も含めて一度も対戦できなかった。大阪桐蔭、京都成章、東福岡…。こういうチームとやりたいよねと言ってここに来た。ひとつでも多く強いチームと戦おうと」
その目標は達した。あとは3年前の花園以来となる、全国の頂点に立つだけだ。