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走って、当たって。東福岡、久我山のチャレンジ退ける。【全国高校選抜大会準々決勝】

2023.03.29

BKのような快走を披露した東福岡のPR沢田海盛(撮影:高塩隆)

 3月28日、熊谷ラグビー場で全国高校選抜大会の準々決勝がおこなわれ、第3試合では1月の全国高校大会・優勝校である東福岡が登場。24-13で國學院久我山を倒した。

 今年も選手たちの能力を存分に伸ばしてきた東福岡が、準々決勝の舞台でも自在にボールを動かし、走る。前季チャンピオンのポテンシャルはどんな場面を切り取っても際立っていた。しかし、点差は開かない。前半は、東福岡 7-6 久我山。久我山が渾身のディフェンスで食い下がった。

 前半2分、12分、25分と久我山がPGを狙う。うち2本をCTB長谷川裕太が成功させて0-6久我山。東福岡が一つトライ(G)を返す展開となった。

「展開力もキック力もあるので、動き続けないといけない。僕らのテーマはディフェンスでした」。何度も好カバー、好タックルを見せた久我山WTB中野竜之介がゲームのフォーカスを振り返る。その言葉通り、久我山の切れない連携と運動量が光った。

 開始時間は13時。日差しが強くなり、気温は上がる中、体力的にも厳しい当たり合い、走り合いになった。久我山はCTB、WTBのリードで相手との間合いを素早く詰め、接点を前に前にと押し出した。久我山の強いプレッシャーは、前半から東福岡のミスを誘っていた。それでも、後半は東福岡が連続トライでいったん突き放した。

 後半4分のトライはNO8高比良恭介主将の鮮やかなブレイクから。キャッチの際でランコースをインに変えてディフェンスをすり抜けた。しつこい久我山のカバーも、ステップとヒットで3人いなしてボールを繋ぐ。そこへPR沢田海盛がフラットに走り込んで追っ手を振り切り、インゴールに飛び込んだ。東福岡 14-6 久我山に(G成功)。東福岡は8分にも続けてトライを奪い、19-6 と差を広げた。

 タフな久我山はそれでも切れない。後半11分に中盤で相手反則を引き出して起点を作り、トライ、G成功で東福岡19-13久我山と6点差に迫り、勝機を繋いだ。東福岡は後半18分に相手防御を崩し、WTB西浦岳優を左隅に飛び込ませて東福岡24-13 久我山に。これが最終スコアとなったが、チャレンジャーの奮闘が最後まで目を引く一戦だった。

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