ラグビーリパブリック

予選敗退を受け止めて。いまの桐蔭学園高が背負うものは?

2023.03.28

大阪桐蔭を下し、7年連続の4強入りを果たした桐蔭学園(撮影:高塩隆)

 桐蔭学園高ラグビー部は年末年始、特異な時間を過ごした。

 例年ならば、最上級生を軸に東大阪市花園ラグビー場での全国大会に出ていた。しかし今回は、翌年度のメンバーが中心となってトレーニングに励んだ。

 新主将でNO8の城央祐は、手応えを実感する。

「ウェイトトレーニングはもちろん、頑張るし、スクラムも1本、終わったら、話し合って…と、丁寧にやってきた」

 花園では2020年度まで2季連続で日本一。計3度の頂点に立つ強豪だが、昨季は8大会ぶりに神奈川県予選で敗れた。

 心機一転。城主将は、「まず俺たちは、声を出すところを変える」。特定のリーダーに依存しがちだった空気を改め、プレー中のコミュニケーション、意思伝達の質を高めたかった。

 藤原秀之監督に「向こう3日、3週間、3か月でそれぞれ変えられることは?」と問いかけられた時も、「まずは3日間で、声を」と応じた。

「3日というわけにはいきませんでしたが、1週間くらいかけて徐々に声の出せるチームになりました。自分の言葉で発信することは全員ができるわけではない。下のメンバー(控え組)には、『まず復唱から始めよう』と。まず、俺たち(リーダー陣)が発したことを伝達することから始めようと。ここからそれぞれが自立して、自分の言葉で話せるようになればいい」

 背景には重責がある。史実を鑑みて、城は話す。

「去年、花園の予選で負けて、もし今年もそういうことがあれば、桐蔭は今後、上がってくることはない。ただ、過去の桐蔭は予選で負けても翌年は勝ちあがっている。新チームが始まる時、藤原先生にも『今後、お前たち次第で桐蔭は沈みも、活きもする』と言われました。自分たちはこれまでの桐蔭と、これからの桐蔭を背負って、選抜大会にも挑んでいます」

 随分と、大きなものを背負っているような。

「しょうがないです。負けた自分たちが悪いので」

 新チームにとって最初の全国クラスの舞台が、3月25日に開幕した。全国選抜大会だ。

 冬の関東新人大会を制して同大会の出場権を得た桐蔭学園は、28日、準々決勝で大阪桐蔭高を倒した。38-10。FW同士のぶつかり合いで向こうの強さを実感しながら、運動量と試合運びの妙で競り勝った。

 大阪桐蔭高は、前年度の花園で神奈川県代表の東海大相模高とぶつかっている。55-0で快勝した。

 藤原監督は言う。

「大阪桐蔭高さんは(自軍が昨季の県予選で屈した)東海大相模高さんに勝っている。『うちが(花園での大阪桐蔭戦に)出ても、ああなったのかな』と思わされます。選手には『それが本当かどうか、検証しろ』と伝えていました」

 指揮官の言う「検証」は、ひとまずポジティブな形でなされたわけだ。主将はどうか。

「嬉しいというより、ほっとしたという表現の方が合っていると思います」

 29日の準決勝では、國學院栃木高と再戦する。関東新人大会決勝では47-0で下した相手だ。

 最終学年に残せる成果も、クラブの命運も、城は「自分たち次第」で変えようと考える。

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