「相手は重いから走らせよう、お互いそう言ってたみたいだね」(桐蔭学園・藤原秀之監督)。
3月28日、熊谷ラグビー場で全国高校選抜大会の準々決勝がおこなわれ、第2試合では桐蔭学園が大阪桐蔭を破った。一定の差を保ちながら5トライを積み上げた桐蔭学園が、4強入りを決めた。
相手は大型でコンタクトのインパクトも強い大阪桐蔭。前半4分に0-5とトライを先制されたが、その後は着々と、トライを重ねていった。最後は38-10。完勝だった。
桐蔭は21-5大阪桐蔭で前半を折り返し。後半4分には中盤で相手の反則を引き出して、ゴールに近づきラインアウト・モールを形成。タイミングよく離脱して走ったHO田中健心が左隅に駆け込んでトライ(G成功)、28-5。14分にもトライを重ね、35-5。勝負あったかに見えた。
しかし、ここから大阪桐蔭が意地を見せた。失敗しても自陣からミドルのパスをつないで果敢なアタック。ボールを持った選手が孤立して反則を取られることもあったが、めげずにボールを動かした。後半31分にはまたも自陣から走り始め、ワイドに振ってWTBが快走! 左隅にHO西野陽を飛び込ませるトライ。攻め切って桐蔭38-10大阪桐蔭とした。
終了間際にインターセプトされてボールを失ったが、これも自陣で大きなパスを放ったもの。大阪桐蔭も、最後までチャレンジした。
「大阪桐蔭さんとの試合は、年に何回かのチャンス。今年もいい経験になりました」(桐蔭学園・藤原監督)
前に出よう、とシンプルに声掛けをして送り出したフィジカル自慢の相手に対し、真っ向勝負で地の力を証明した一戦となった。桐蔭学園が、7大会連続*の4強入りを決めた。
*=中止となった2020年大会をまたいでの連続