今季リーグワン(ディビジョン1)で第10節までに5敗を喫し、プレーオフ進出争いのボーダーライン下にいる5位の東芝ブレイブルーパス東京が、数的不利となった厳しい戦いを制してトップ4入りに望みをつないだ。3月12日に千葉・柏の葉公園総合競技場でNECグリーンロケッツ東葛と対戦し、序盤にレッドカードを提示され、一時13人になった時間帯もあったが、49-20で勝ち、ボーナスポイントも追加でフルポイントの勝点5を獲得した。
試合開始から9分、ブレイブルーパスの3番をつけたタウファ・ラトゥがタックルにいった際、肩が相手選手の頭部へコンタクトする形になり、危険なプレーと判断され、レッドカードで一発退場となった。
14人になったブレイブルーパス。それでも奮闘し、14分に敵陣深くに入ると、ラインアウトからモールで押しきり先制した。22分にはFL徳永祥尭とLOワーナー・ディアンズがキックチャージし、ボールを拾ったPR木村星南の突進でチャンスとなり、クイックリサイクルからWTB豊島翔平がコーナーにトライを決めた。
しかし、34分、攻め続けていたグリーンロケッツに対してブレイブルーパスは反則を繰り返し、イエローカードを提示され、13人になってしまった。
一方、グリーンロケッツは、アーリーエントリーで10番をつけデビューとなった吉村紘(早稲田大学)のペナルティゴールで得点を重ね、さらに反撃チャンスとなった35分、ラインアウトからモールで押し込みトライを奪い返した。
そして、18-13とブレイブルーパスの5点リードで迎えた後半早々、数的有利のグリーンロケッツは、自陣でラインアウトスチール後、WTB後藤輝也のキックスキルもはさんでCTBクリスチャン・ラウイが抜け、体重105キロのパワフルな背番号12は約60メートル走りきってホームのスタジアムを沸かせた。SO吉村が厳しい角度からのコンバージョンを決め、逆転に成功した。
しかし、48分(後半8分)に不当なプレーをしたグリーンロケッツの選手が10分間の退出を命じられ、14人対14人の同数に戻ったブレイブルーパスは息を吹き返す。
50分、モールでゴールに迫ったあとすばやくボールを動かし、FB松永拓朗が抜けて再びリードを奪った。58分には一気のドライビングモールで追加点。
タフなブレイブルーパスは、試合のほとんどを数的不利で戦いながら、終盤に入ってもアグレッシブで、68分にも敵陣深くでフリーキックを得るとクイックタップから速攻を仕掛け、最後はHO原田衛が突っ込みトライを挙げた。
トライ数で3本差をつけボーナスポイントを確実にしたいブレイブルーパスは、75分には相手より1人少ないFWパックがスクラムで圧力をかけてボールを奪い返し、CTBニコラス・マクカランの力走もあって敵陣深くに入り、テンポよくつないでNO8リーチ マイケルがフィニッシャーとなった。
ブレイブルーパスは結局、守っては相手に2トライしか許さず、厳しい戦いを乗りきった。