第10節まで4試合連続出場。直近の3試合には11番で先発が続いている。
第9節、第10節は2試合連続でトライも奪った。横浜キヤノンイーグルスのWTB、竹澤正祥(まさよし)の調子がいい。
今季開幕から10試合を終えた時点で6勝2敗2引き分けの4位と、念願のトップ4入りへ近づくチームへの貢献は大きい。
176センチと小柄ながら、体を張ったプレーを見せる。
39-7と快勝した第9節のトヨタヴェルブリッツ戦(2月25日)では、前半18分過ぎにインゴールへ入った。
SO田村優のゴール前へのキックをチェイスし、先制トライを挙げた。
翌週の静岡ブルーレヴズ戦(3月3日)は、今季初のナイター開催だった。
22-22と引き分けた80分では、15-22とリードされる展開の中で貴重なトライを挙げた。
逆転勝ちしていたらヒーローだった。
ブルーレヴズ戦でのトライは、後半33分に決めた。
相手のキックをレシーブし、FBのSP・マレーへボールを渡す。前進するマレーをサポート。左タッチライン際でパスを受け、そのまま走り切った。
「練習通りでした」と振り返る。
「パスをしてステイ。マレーがキャリーしたところを狙う。練習から繰り返しているプレーです」
この試合では、トライ以外でもよく働いた。
相手のキックを何度もキャッチ。味方の蹴ったキックをダイレクトで受けたプレーもあれば、勤勉なチェイスから、落下点の相手に何度もハードなタックルを見舞った。
「相手がキックを蹴ってくるのは分かっていたので、しっかり準備をしてきました。下がってポジショニングし、いい場所から、いいキャッチができた。準備したものが出せて良かった」
イノケ・ブルア、ヴィリアメ・タカヤワらパワフルな選手や、松井千士のようなスピードスターをはじめ、才能ある選手たちがひしめくイーグルスのバックスリーの選手たち。
その中で、出場機会をつかむのは簡単ではない。
タックルを武器に、競争を勝ち抜きたいと思っている。
ブルーレヴズ戦は、ボールを持っていない時のハードワークでも評価を高めただろう。「タックルで相手にプレッシャーをかけ続ける」と戦前に立てた目標を、ハードワークで遂行した。
スクワットで鍛え込んだ下半身の強さはFW並み。その筋力が一 歩目の走り出しと、すべての動きを安定させる。
50メートル走は6秒1。 パワークリーンの数値もFWに匹敵する強さだ。高い瞬発力は、爆発的な加速力を生む。
桐生ラグビースクール、シルクス (中学)時代から、足の速さは目立っていた。
明和県央、日大の厳しい練習で強さを増した。日野レッドドルフィンズを経て、「プロとして勝負したい」とイーグルスに移籍して2年目。昨季も7試合に出場した。
「レベルの高い中に身を置いて、レベルアップできていると感じています。移籍して良かった」と表情を崩す。
その笑顔は、トップ4に入ったらもっと輝きそう。