首位対決だ。
国内タイトル2連覇中で今季開幕9連勝中の埼玉パナソニックワイルドナイツは、3月4日、本拠地の熊谷ラグビー場に8勝1分で2位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイを迎える。
国内リーグワン1部・第10節きっての好カードだ。ディフェンディングチャンピオンのロビー・ディーンズ監督は、こう心待ちにする。
「明日は間違いなくグレードゲーム。両軍とも負けがない。周りの関心が高くなるのではないでしょうか」
試合の焦点を聞かれれば、「スピアーズがどのように戦うかは予想できる。フィジカルなゲームになる。セットピースと規律(が鍵)」「(スピアーズは)カウンターアタックもいい」。スピアーズの力強いFW陣、多彩な攻めを警戒する。
特にキーマンに定めるのは、HOのマルコム・マークスか。指揮官はこうだ。
「マルコム・マークスのようにボールの上(接点)で強い選手がいる。(攻撃中の接点で)テクニックと精度が重要視される」
そのマークスに先発HOとして対峙する坂手淳史主将は、こう見据える。
「ものすごくいい選手。フィジカルな、スピアーズらしいプレーをする。地面にあるボールを奪い取る力だけではなく、キャリア(走者)のボールを奪い取るような力も見られる。負けないようにしたいです。僕自身のパフォーマンスを上げるうえで、明日の試合は大事になります」
スピアーズのWTBには、ルーキーながらここまで11トライと好調の木田晴斗がいる。この注目の若手についてのディーンズ監督の談話は、クラブの姿勢を示していた。
「私たちとしては、彼がグラウンドを走り回る姿を見たくない。その意味では、お互いの戦術、理論が(試合を)おもしろくさせるのではないでしょうか」
向こうの機動力、突破力を、自前の防御の「戦術」と個々のタックルとの合わせ技で跳ね返すつもりだ。坂手は続ける。
「しんどいゲーム、しんどい時間帯も、何か特別なことをするのではなく、全員が同じスタンダードでやるべきことをやり続けられるのが強みです。多少、スコアが開いても、淡々と同じことができる。焦らないようなシステムが、できてきている」
リーグ戦は中盤に突入している。
開幕からの自分たちの出来について、「まだまだ伸びる余地はある。規律(反則)、前半の大事なところで(点を)獲りきれないなどの課題はあります。ただ、一歩、一歩、成長しながら、いいスタンダードで終えられているゲームが多い」と坂手。ディーンズ監督は、一戦必勝を積み重ねて「淡々」と頂点を狙うつもりだ。
「引き続きよくなり続ける。毎週、毎週、(試合が)終わってから毎回、学ぶことがあり、成長する余地があります。個人の成長をどうチームに移行させるかが大事。チームがより機能的になるようにすることが求められる。その部分での精度が大切。相手に隙を突かれないような準備も大事に考えます」
スピアーズ戦でも勝って学びを得て、より組織を強固にしたい。