昨秋女子の世界一を決めるラグビーワールドカップ(以下、W杯)がニュージーランド(以下、NZ)で行われた。
優勝候補イングランドは決勝まで順当に進むも、ホスト国・NZのパフォーマンスを前に苦汁を舐めた。
それでも2019年からテストマッチで3年間無敗(30連勝)を記録するなど圧倒的な強さを誇るイングランド。
そのイングランド国内最高峰リーグ プレミア15sで2季目に挑む唯一の日本人選手がいる。
ウスター・ウォリアーズ・ウィメンのSO/CTB 山本実だ。
山本も日本代表として2大会連続でW杯に出場。
高いパス&キックのスキルを持つプレーメーカーとして知られている。
その山本は2月25日にイギリス西部の街、ブリストルにいた。
ブリストル・ベアーズ・ウィメン戦にSOでフル出場を果たした。
アウェーかつ強風が終始吹き続ける難しい環境だった。
試合は攻守に渡って規律を欠いたウスターに対し、ブリストルのFW・BKが躍動して59−10でフルタイムを迎えた。
山本は精度の高いキックオフや低いタックルなどで応戦するも、チームとしても個人としても、多くの課題を得る試合内容となった。
試合直後のインタビューでも「チームの規律が悪かった。ディフェンス面でブレイクダウン周りに必要以上にプレーヤーが集まってしまい、相手のバックスを中心に上手く攻略されてしまった。」と話した。
また相手の大型バックスについても言及した。例えば、178センチのアンバー・リードだ。
「(現在の)イングランド代表ではないものの、ディストリビューターとしてもボールキャリアーとしても非常に優秀な選手(62キャップ)。前回の対戦時から注目し、尊敬している選手です」
各国の代表やその座を狙う世界トップクラスのタレントと日々相対する。
多くの学びを得られる環境がそこにはある。
1シーズン目と比べても「語学力が上がってきて、チームメートとコミュニケーションが瞬時に取れるようになってきた。ミーティング中もより高度なやり取りができ、チームによりフィットしてきています」と胸を張る。
2年後のW杯はイングランド開催。
日本を離れて海外挑戦継続を決めた山本の存在は、サクラフィフティーンになくてはならないものになるはずだ。